





今回のパリ滞在で、書物関係で収穫と言えるのは、オザンヌ古書店の目録をまとめて入手できたことである。すでに京都でオザンヌの目録数冊は某氏より頂戴しており、店の名前は知っていた。ただ、偶然、パリで古書籍商としてフランスの古書組合に登録しておられる日本人のNさんと連絡がとれ、帰国間際にお会いすることができたのだが、そのとき、Nさんがオザンヌ夫人であることを知った。京都でオザンヌの目録を下さった某氏とも旧知というので話が盛り上がった。
上の「写真」と大書された目録は一九九九年発行。日本の主要な写真集(および荒木経惟のオリジナル・プリント一点)を五十点ほど集めた目録である。これをNさんが入手しオザンヌで売り出したという成り行きらしい。Nさんはもともと版画技術習得のためにパリに来られたが、オークション会社勤務を経て美術品や美術書を扱うディーラーへの道を辿ったという。春の古書フェアーと秋の写真フェアーには毎年出店されるそうだ。

Nさん宅でいろいろ貴重な書物などを拝見できたのは幸いだった。『写真』にも登場している『メセム属』(下郷羊雄、一九四〇年三月一〇日)をまさかパリで手に取って見るとは思いもよらなかった。

ポンピドゥーで二〇一一年に開催された国際アヴァンギャルド雑誌コレクション展の図録『Le Fonds Paul Destribats une collection de revues et de périodiques des avant-gardes internationales à la Bibliothèque Kandinsky』。ここには『みづゑ』の超現実主義特集号や北園克衛らの『vou』など日本のアヴァンギャルド雑誌も収録されていた。Paul Destribatsが三十年間にわたって蒐集した資料類である。それがラガデール・グループのメセナによってポンピドゥー・カンディンスキー文庫へ収まった。