高橋輝次編『増補版 誤植読本』(ちくま文庫、二〇一三年六月一〇日、カバーデザイン=間村俊一、カバー絵=林哲夫)。増刷決定! 記念に(?)表紙に使われた絵の全体図をかかげておく。
誤植読本、ちくま文庫へ
http://sumus.exblog.jp/19859061/
増補版 誤植読本 この本の内容(ちくま文庫HPより)
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480430670/
以下に目次の全部を列挙しておく(エッセイのタイトルは省略)。
I 誤植打ち明け話
外山滋比古
中村真一郎
藤沢桓夫
稲垣達郎
河野多恵子
竹西寛子
森まゆみ
林真理子
黒川博行
泉 麻人
中山信如(書き下ろし)
II 著者の眼・編集者の眼
生方敏郎
小林 勇
杉森久英
埴谷雄高
澁澤龍彦
宮尾登美子
藤田宣永
山田宗睦
高橋輝次(書き下ろし)
鶴ヶ谷真一(書き下ろし)
III 誤植・校正をめぐる思索
大岡 信
長田 弘
花田清輝
山口誓子
富安風生
土岐善麿
坪内稔典
森 銑三
佐多稲子
多田道太郎
中井久夫(書き下ろし)
林 哲夫(書き下ろし)
IV 近代作家の誤植・校正
尾崎紅葉
森 鴎外
斎藤茂吉
内田百閒
小宮豊隆
西島九州男
十川信介
佐藤春夫
井伏鱒二
V 校正の風景
石川欣一
相澤 正
吉村 昭
串田孫一
永井龍男
市島春城
天沼俊一
紀田順一郎
野々村一雄
森 洋子
高橋英夫(書き下ろし)
あとがきに代えて(高橋輝次)
文庫版あとがき(高橋輝次)
解説 誤って植えられた種(堀江敏幸)
本書のもとになったテキスト一覧
執筆者紹介
用語の簡単な説明(ちくま文庫編集部)
堀江さんの解説は解説というよりも、堀江さん自身の誤植体験を語って楽しい読物。誤植でつづる著者紹介は傑作。小説のタイトルを必ずと言っていいほど間違われるという。ワーストは『熊の敷物』(正しくは『熊の敷石』)だそうだ。
《誤植はときに詩的発想を飛躍させ、思索を深化させる。消しても消しても現われる誤植ウイルスは、そんなふうに肯定的に捉えておいたほうが得策だろう。言葉の奥深さ、不可解さは、誤って植えられた種から生え出てくるものかもしれないのだから。》