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フランスのオトグラフ

フランスのオトグラフ_b0081843_9573054.jpg

高野純子『フランスのオトグラフ』(京都書院、一九九八年一一年一五日)を画廊に来てくださった方より頂戴した(お礼申し上げます)。アーツコレクションのシリーズでこんな本が出ているとは知らなかった。オトグラフは autographe で自筆もの(原稿や書簡など)のこと。ヴォルテールからラヴェルまで歴史に残る主に文筆家・画家三十五人の筆蹟がフルカラーで展開されている。豪華版の古書目録だとよく見かけるが、こういう単行本(文庫サイズ)では珍しい内容ではないかと思う。

プルーストのジャック・ブーランジュ宛書簡(1921年11月6日)なども出ているけれど、おお、と思ったのはヴェルレーヌがベルギーのモンス刑務所で書いたというこの詩稿(カリカチュア入り)。一八七三年〜五年頃。ブリュッセルでランボーを銃撃してケガをさせたことによって収監されていた。

フランスのオトグラフ_b0081843_9571814.jpg

 Hélas! Je fu jadis un faune
 Qu'en Belgique on prétend pas bien aphone
 Et bien (demanderait)pas trop mieux
 Qu'un trône

自画像のフキダシには「Je veux vivre! (生きたい!)」と。


フランスのオトグラフ_b0081843_9571146.jpg
こちらはセザンヌの手紙。こんな字を書くとは思わなかった。


フランスのオトグラフ_b0081843_957471.jpg
アルベール・カミュの手紙。クセがあって慣れないと読み難い筆蹟である。

本書の表紙はジャン・コクトーによる自著『ルノーとアルミッド』(ガリマール、一九四三年)のジョルジュ・イジドリ宛献呈署名挿絵。
by sumus_co | 2013-04-15 10:23 | 古書日録
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