
『Rembrandt Handzeichnungen』、レンブラントのスケッチ集。刊記は見あたらない(インゼルの総合出版目録が出ているらしいので、それを参照すれば分るだろう、AbeBooksでは1934としてある、もちろん後版もあるようだ)。

見返しにエンデルレ書店のレッテルあり。この書店は現存する(教文館キリスト教書部)。詳しいことは分らないが、戦前、ルーペルト・エンデルレがヘルダーの代理店として東京に開業した出版社である。昭和十八年の住所は東京市四谷区三栄町三番地ノ一。哲学・思想書を中心に刊行していたようだ。

レンブラントの素描には馴染み深いものがある。オヤッと目に留まったのはこれ「Der Quacksalber」、いかさま医者くらいの意味のようだ。大道で何か薬らしきものを売っている、要するにガマの油売り。レンブラントも囲みのなかにいてその場でスケッチしたのだろうか、そうとも見えるし、記憶で描いたようにも思える。

ハンス・ホルバインの版画集『Bilder des Todes 死の姿』、「死の像」とも訳されているようだ。
オリジナルは一五二五〜二六年制作、国立西洋美術館にも所蔵されている。インゼルは一九一三年に初めてこれを刊行し、その後何度も版を重ねているようだ。表紙もたびたび変更されている。
扉に捺されている印が、すぐに読めなかったのだが、今よくよく見ると「富士川英郎」ではないか(!) ということはこれらドイツ語の本は富士川英郎旧蔵書だったのだろうか。さらに、ということは昨日の『李太白』の書き入れ、これも富士川のものではないか。う〜む、ちょっと興奮してきた。(某氏より間違いなく富士川英郎旧蔵書だというお墨付きを頂戴しました!)

『DAS KLEINE BUCH DER VOGEL UND NESTER』鳥と巣の小さな図鑑。一九三五年頃らしい。当時としてはかなり気張ったカラー印刷(図版はすべてフルカラー)に違いない。

それにしても富士川英郎旧蔵書となると、旧に有り難味が増したように感じるから、現金なものである。ふふふ。