
これが街の草で求めた詩誌『粒』No.3(粒の会、一九五五年五月三一日)。目次は以下の通り。編輯発行は西本昭太郎(神戸市兵庫区湊山町一三八山下方)。西本には『庶民考 西本昭太郎詩集』(粒叢書第3、粒の会、一九五八年)があるようだ。
1. ポッポ論又は歌 亜騎 保
4. 庶民考・他二篇 西本昭太郎
9. 都会の雨・他二篇 牛込正三
12. 反逆・他四篇 西田恵美子
15. この時こそ・他一篇 後藤卓也
18. 故郷で・他二篇 吉仲行雄
20. 影・他一篇 藤村 壮
表紙 光安義光
ガリ版の詩誌というのも好きなのだが、とくにこの表紙に惹かれた。調べてみると光安義光は兵庫県で活躍した建築家である。近年評価が高まっているようだ。一九一九年京城生まれ。京城高専から東京工大へと進み谷口吉郎に学んだ。学生時代から絵画にも興味をもっており抽象画の一筆書きをしていたという。一九四二年ビルマへ出征、英軍の捕虜となった後四六年に帰国。四八年に兵庫県土木部に勤務。兵庫県の公共建築の設計・監理に関わった。代表作は兵庫県庁舎、また旧兵庫県立近代美術館(現・兵庫県立美術館王子分館)は村野藤吾と光安の合作。一九七一年国立明石高専教授。一九九九年四月歿。『知られざる建築家光安義光 神戸・モダニズム』(出版刊行委員会編、青幻舎、二〇〇〇年)がある。代表作はこちら「
光安義光の作品」。表紙を描いているということは西本と親しかったのだろうか。
亜騎保についてはこれまでも何度も言及したし、
季村敏夫『窓の微風』(みずのわ出版、二〇一〇年)にも詳しい。それ以外の寄稿者についてはよく知らないが西田恵美子は『輪』の同人(一九五七年より)。藤村壮は一九五九年鈴木漠、岡田兆功、平岡史郎、と共に詩誌『海』を創刊しており詩集も『あくびを呼ぶ風景 藤村壮詩集』(蜘蛛出版社、一九六二年)など何冊も出している。巻頭の亜騎の頁だけ掲げておく。
*
先日、
宇仁菅書店さんの在庫が東京の市会に出品されていたという報せを紹介したが、本日、某氏がその一冊を見つけて送ってくださった。

渡辺広士『大江健三郎』(真美社、一九七七年一月一四日二版)。

《同封の一冊は、荻窪のささま書店店頭棚にあったもので、先日 daily-sumus の話題になっていました宇仁菅書店のシールの貼ってあるものです。他にも何冊かありました。ていねいな鉛筆書の文字が、店の雰囲気を伝えていると思います。》
深謝です。