
京都国立博物館へ。「国宝十二天像と密教法会の世界」(〜2/11)。上は十二天像のうち水天。久し振りに極上の古画の雰囲気に触れることができて満足した。この京都国立博物館蔵の十二天(大治二年=1127)、元は東寺(教王護国寺)に伝来していたもの。優美で繊細な線描や色彩は平安絵画のレベルの高さを見せつけてくれる。
と思って、次の次の部屋へ進むと、奈良西大寺蔵の十二天像のうち火天・帝釈天・閻魔天の三幅が並んでいて、ぶっ飛んだ! スゴイ。平安は平安でも九世紀の作とされ、かなり傷んで状態は悪いが、線描のおおらかさや色彩の美しさはこれ以上ないくらいである。たしかこれも以前、一度は見た記憶があるが(あるいは図版で見ただけかもしれない)、すっかりこの感激を忘れていた。いいものを拝見しました。まさに目の正月。

十二天像展示と連続して特別陳列「成立八〇〇年記念 方丈記」もある。上は鴨長明自筆と伝えられる「方丈記」(十三世紀、京都、大福光寺蔵)。初めて見るもの。他には明恵上人筆「夢記」(十三世紀、京博蔵)や国宝絵巻の「餓鬼草紙」(十二世紀、京博蔵)も陳列されていた。「夢記」は文庫本で読んだことがあるが、原本を見ると、その雑駁な、それでいて魅力的な筆の走りに圧倒される。やはり並の坊さんじゃない、たしかに。

四条へ戻って何必館の「木村伊兵衛展」(〜2/17)へ。この写真は「永井荷風 昭和29年」(チラシより)。セレブであろうと庶民であろうと、ごくふつうにスナップでパチパチ撮っていながら(たぶんそうだと思うのだが)、それでいて前衛的でもあり、またノーブルな雰囲気も失っていない。それが才能というのもであろう。森山大道もコンデジが好きらしいが、木村伊兵衛にこそコンデジを使ってもらいたかった。