
某所で簡野道明『縮刷字源』(北辰館、一九二六年九月二九日)を頂戴した。また別の方よりほぼ同時に袖珍の字引や字書も何冊か送られて来た。なんとも有り難いことである。勉強に励みます…。

手許にある明治の字書類。だいたいが百円均一でしか買ってこなかったため、状態が悪いし、あらためて調べてみると数も思ったほど持っていなかった。これらのなかには頂戴したものの他、すでに紹介した字書も含まれる。
長岡道謙編『新刻正字通』
http://sumus.exblog.jp/7077210/
新刻正字通2
http://sumus.exblog.jp/7083466/
森本樵作『発音数引 実用新辞典』
http://sumus.exblog.jp/10315996/
明治いろは字典
http://sumus.exblog.jp/11946943/

『国訓寸珍康熙字典』(近藤元粋、青木嵩山堂、明治三十七年四月十日)。編者は先に紹介した『鼇頭註釈文章軌範纂語字類』の編者池田四郎次郎の最初の師匠である近藤元粋先生。言うまでもなくこの『康熙字典』は節録(ダイジェスト)の二巻本。
試しに画数の最も多いとされる漢字「龍×4」(興×4も同じく六十四画、ただし国字にはもっと画数の多い字もある)を探してみたが「龍×2、龍×3」しか載っていない。
次は大高文進『新撰明治玉篇大全』(細川清助、明治九年七月発兌)。龍の部首欄に挙げられている漢字の数自体は『国訓寸珍康熙字典』より少ないけれども、こちらには「龍×2、龍×3、龍×4」も採られている。
次は清水善博『日本正字通』(浜本伊三郎、明治二十六年)。ここでは「龍×3」のみで、収録字数も少なめ。
お次は加藤伴之『日本無双玉篇』(田中太右衛門、明治三十年)。「龍×4」はあって「龍×3」はない。
後藤光憲『明治玉篇』(中村鐘美堂、明治三十六年)。龍×2、龍×3、龍×4と揃い踏み。
そして長岡道謙『新刻正字通』(同盟舎、明治九年一月二十七日)。龍×2、龍×3。これまですべて銅板印刷。
最後に『縮刷字源』の龍部。

《本書に採収せし文字は、大抵康熙辞典に準拠したれども、古書に用例なき文字、又今日すでに廃字に属せし文字は、之を刪去し、更に同字典以外の文字にして、日常使用せられつつあるものは、其の譌字・俗字たるを問はず、すべて之を増補し、つとめて現代の実用に適せしめんことを期せり。》(字源、凡例)
たしかに龍×2(タフ、タツトブ)、龍×3(タフ、タツユク)、龍×4(テツ、カマビスシ)を使うことはまずないだろう。