フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(酒寄進一訳、東京創元社、二〇一一年一二月一五日六版、装幀=本山木犀、装画=タダジュン)。
ピンポ〜ン
はい?
さがわきゅうびんです
ガチャン、ガチャガチャ
ウンチク様ですね、ここにハンコおねがいします。
どうもー
ブックオフから小包だった。注文した覚えがないが、小生の宛名だったので、開いてみると、『犯罪』であった。「届いた? それわたしのでしょ」と妻。小生の名前で妻がオンラインから購入したのだ。
おや? と思った。表紙の作品がかっこいい。「いつもは単行本は買わないんだけどジャケ買いしたのよ」と妻。……ひょっとしてこれはタダジュンさん。奥付をたしかめたら、やはりそうだった。多田進さんのご子息。
「えっ、そうなの。ふつうじゃないわね」
う〜む、たしかに。だが、それはアーティストにとっては何よりの褒め言葉だと思うのである。