マン・レイさんのギャラリー・トークに参加。マン・レイの仕事についての概略から始まり、蒐集物語へと展開。マン・レイが初めてパリの近代美術館などで回顧された一九七二年、それは奇しくも石原さんがマン・レイに狂いはじめた時期でもあった。写真表現をめざし、学生運動の騒乱にもカメラを向けていた写真家・石原さんが、マン・レイの版画を買ったことで何かが変わった。コレクションする行為が表現へと取って代わって行った。
現在では世界に一点しか残っていないとされるマン・レイのダニエル画廊での初個展のカタログを所蔵するなど、世界のマン・レイ狂が注目するコレクターとなっておられる。さりげない自負と、そして何より、マン・レイへの深い愛がにじみ出たトークだったと思う。
最後に来場者からマン・レイの油絵の評価について質問が出た。石原さん、今いちばん燃えているのが油絵に対する情熱だそうだ。一般的にはヘタだと言われているし、マン・レイそのものがデュシャンやダリ、エルンストよりも低く評価されるという傾向があったため、何年か前までは数百万円で買えていた。ところが最近のオークションではマン・レイの油絵に二百万ユーロを超える値段が付いてマン・レイの油絵のレコードになったという。世の中がようやく石原さんに追いついてきたのかもしれない。
マン・レイ焼き(笑)頂戴しました。