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松村みね子訳詩集![]() 戸田勝久さんの個展「ことばの情景 芭蕉、蕪村、良寛をめぐって」をぎゃらりい思文閣で拝見した。精力的に発表しておられる。戸田ブルーの美しさはいつもながらだが、それに加えてまったく新しい視点で画面作りをしておられる作品も少なくなかった。リアルを装いながら日常を踏み越えた世界を鮮やかに描き出す戸田さんならではの空間だ。 上の写真は会場でふるまわれた明石の老舗和菓子店藤江屋分大のお菓子。この包装紙は戸田さんのデザインである。菓子の質感や色とマッチしていい感じ。聞く所によれば、永田耕衣や竹中郁も包装紙に筆をふるっているそうだ。ふかし芋はオススメ。 戸田さんは絵のかたわらに芭蕉、蕪村、良寛、漱石、タルホ、北園克衛などの俳句や詩歌、散文を引用して掲げておられたが、それらの選択がまたいかにも戸田さん好みだった。そこでふと思ったのが先日留守中に頂戴していたこの『松村みね子訳詩集』(未谷おと編、西方猫耳教会、二〇一二年一一月一〇日、表紙イラスト=kao)のことである。 ![]() 《本書は片山廣子が松村みね子名義で発表した訳詩を集めたものである。一九一四年から一九二二年にかけて雑誌に発表され、顧みられることなく忘れられていたものを集めた。[中略]これらは単行本にまとめられたことは一度もなく、本書のほぼすべての読者がはじめて松村みね子の訳詩に触れるのであろうと思と、編者として喜びを隠しえない。》(未谷おと「編者解説」) ほそい月 ジェームス・スチイヴンス 天はしづかで、はだかで 見上げる空に一つの星もひかつてゐず 空気にすこしもうごきがなく 人間はみんな床にはひつてゐた 夜のなかに、わたしは、たつた一人で 月とゐた、わたしたちは暫らく話しあつた 月の顔はひかりの奇観[あやしさ]だつた その微笑はうつくしい微笑だつた 月は下にこごんで来た、わたしはもうすこしで気ちがひになりさうだつた ーーわたしも彼女とおんなじくらゐ怖がつたのだーー でもわたしは彼女の接吻をもらつた 彼女が海にあたへようとしてゐた接吻を すると海はおどろきに巻き上がつた 月が浮気で不良だといつて 月は空をとほつて逃げてしまつた わたしは溪を通つて逃げてしまつた それからのち、わたしたちは二人きりでゐたことがない よるもひるもわたしたちを見張るものがある、そいつらは あはれな小さい月を彼女の玉座にしばりつけてしまつた だからわたしは別の花嫁と結婚した 原文は旧漢字。月ごのみの戸田さんを意識して引用してみたが、これは少し毛色が違ったかもしれない。「ほそい月」はJAMES STEPHENS『SONGS FROM THE CLAY』(THE MACMILLAN COMPANY, 1919)に収められている。みね子訳の初出は『女人芸術』一巻四号(一九二八年)だそうだ。参考までに原詩を掲げてみる。英文で読むとちょっとドライすぎるような感じがして最後の一行が一層味消しに思われる。みね子のことばつきが原詩とは違った独特な世界をつむぎだしているようだ。翻訳の効用と言えるだろう。 THE HORNED MOON The heavens were silent and bare, Not a star lit the heights overhead, There was not a stir in the air, And the people were all gone to bed. I was there all alone in the night, With the moon, and we talked for a while, And her face was a wonder of light, And her smile was a beautiful smile. She leaned down and I nearly went mad (And she was as frightened as me), But I got the kiss that she had Intended to give to the sea. Then the sea gave a leap of surprise, And shouted that she was a jade, So the moon ran away through the skies, And I hid myself in the glade. After that we were never alone, We were watched day and night, and they tied The unhappy young moon to her throne, Till I married a different bride. 『松村みね子訳詩集』(盛林堂のきまぐれ店番日記) http://d.hatena.ne.jp/seirindou_syobou/20121109
by sumus_co
| 2012-11-19 22:26
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