
昨日の初日はどうしても出られない用事があった。おくればせながら二日目の朝から出撃。まずは出町柳の駅から知恩寺へ向かう途中にある臨川書店をのぞく。軽く指ならしで二冊ほど(一冊は二百円でしたが、もしやと思って帰宅して調べると、これは指運がありました。指運は将棋用語です。善し悪し不明のまま指したのが結果として善い手だった場合に指運があったと申します)。
百円均一テントがなくなって以来の慣例通りシルヴァン書房さんの均一コーナーからスタート。納涼にもかなり出ていたが、エロトロジー関連の洋書がドッと放出されていた。研究者の蔵書を一括で買い入れたものらしい。文学的はもちろん風俗的から民族学あるいは民俗学的な方面までまんべんなくエロ関連の本が並んでいた。熱心に物色していたとなりの外人さんが急に笑い出した。小生に向かって『チャイニーズ・ポタリー』と題された本を示しながら「笑っちゃうよね、ここの本」と訛りのある英語で話しかけてきた。一瞬意味が分らなかった。てきとうに相づちを打っておいたが、なるほど他はみんなエロ本ばかりだから『チャイニーズ・ポタリー』がポツンとあるのは妙な感じだったのだ。この男性はたぶんスペイン人かなと思ったりした。
個人的にはジャン=ジャック・ポヴェール発行のクービン『L'AUTRE CÔTÉ』(一九六四年)はちょっと嬉しかった。ピエール・ギロー(Pierre Guiraud)の『Dictionnaire érotique』(Payot, 1978)もここで。それからキクオ書店の三冊五百円でブルトンの詩集『POÈMES』(Gallimard, 1967)と和本のウブな(しかし状態はあまりよろしくない)一山から『鴻溪遺稿 下』(発行=荘直温、明治三十九年十月二十日)など。これは上下二冊揃っていればサイコーだったのだが、残念ながら下だけしか見当たらなかった。進鴻溪は備中生まれで松山藩に仕えた。巻末「鴻溪先生行状」によれば幕末の混乱をよく取り仕切ったらしい。維新後は漢学者・教育者として活躍した。下巻にはその詩篇が収められている。物色中に善行堂氏に声をかけられる。古本屋になっても毎日ご出勤とはあんたも好きねえというところ。

軸はいちいち拡げて見るのが面倒だが、軸先などのよさそうなものを開けてみた。最初に現われた文字がわりといいじゃないかと思ってずっと下までのばすと三十六峰外史(頼山陽さんどす)と署名してあった。あいたた、まず偽物であろう。とは思いつつ買っておくことにする。(帰宅してよくよく調べると印刷物でした、チャンチャン。印章だけは実押でしたが)

少々お疲れですかな?(当たり前ですけどこれは小生ではありません) おだやかな古本日和、気持ちの良い半日を過ごせた。