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上京する文學![]() 岡崎武志『上京する文學』(新日本出版社、二〇一二年一〇月二五日、装丁=間村俊一)読了。上京という視点で作家や作品を見直すとまた新たな眺望が現れることを教えられた。読書案内にも文学散歩案内にもまた映画案内にもなっているところはさすがで、一冊で三度おいしいという感じに仕上がっている。各作家ごとにエピローグというか締め口上のようなフレーズがでてくるのだが、それが大見得のようでなかなかチャーミング。 《この「人間なんてかなしいもんだな」こそ、周五郎文学を支える大黒柱ではないか。》(山本周五郎) 《このとき、菊池の描いた世界を現実が追い越して行った。》(菊池寛) 《賢治が乗る銀河鉄道の席の傍らには、きっとこのトランクが寄り添っているに違いない。》(宮澤賢治) 《長い長い坂を駆けるようにして上がってきた芙美子の、ここが頂上だ。》 (林芙美子) 《太宰はけっきょく、「上京」するしかなかったのである。》(太宰治) 《女性の裸が上京の理由であっても、恥ずかしいことは何もない。》 (井上ひさし) 《となると、「東京」という存在そのものが、寺山の「家」だったのか。》 (寺山修司) ちょっと本文が読みたくなるでしょ。どうぞお求めください。 個人的なことを述べる。美術大学を了えて銀座で二度目の個展を開いた。そのときはもう京都へ移住することを決めていた。個展会場に知人というほどでもない顔見知りくらいの先輩の絵描きさんがやってきたので京都行きのことを話した。その人いわく「しばらく地方にこもるのもいいかもしれないね」。今でもはっきり覚えているくらいだからよほど印象的な言葉だったのだろう。京都を隠国の僻地か何かのように見なしているようだった。当時の小生にはひとかけらもそういう考えはなかった。東京の空気の悪さや小さな地震の多発にへきえきしていたこともあるし、また京都で古い文化に直に触れてみたいと思ったこともある(実際学んだのは古本の世界だったような気もするが、それもまた古いものには違いない)。 これは一九八〇年代の初めのことで『上京する文學』で言えば村上春樹がデビュー作「風の歌を聴け」を『群像』に発表して鮮烈にデビューし(一九七九)、ジャズ喫茶「ピーターキャット」をたたんで作家一本でやっていくことを決意して千葉県船橋へ引っ越した(一九八一)時代に符号する。 岡崎氏は、村上春樹は《昭和四十三(一九六八)年春に上京して以来、夫人の実家があった文京区千石をいちばん東として、住んだところはすべて東京の西側に偏っている》という《関西から上京して来た者は、東京の西側に住みたがる》理論にのっとって解釈し、村上春樹の船橋転居についてこう指摘する。 《このとき、ようやく東西の壁が打ち破られ、大きく針が東へ振れる。村上春樹の「上京」は、このとき終わりを告げたのかもしれない。》(これが村上の章のエピローグ) また「一人っ子」というキーワードも上京と関連付けて解釈される。 《作品に漂うどこかもの哀しい感じ、主人公のクールさなど、村上作品には「一人っ子」として孤独を操り育てた者にしか描けない透明な空気感がある。これは、同じ一人っ子だった詩人の谷川俊太郎にも通底する世界であり、「一人っ子」文学論をいつか書いてみたい、という気にさせられる。》 なるほど、スルドイ。たしかにあのモノトーンな感じは一人っ子の自分だけの世界観に通じるものはあるかも知れない。ひとり遊びの世界ではゲームメーカーはつねに自分である。クールにもなろうというもの。恥ずかしながら小生も一人っ子なのでこの点には共感できる。 《村上の場合、家から独立し、両親さえ近くにおらず、本当の意味で一人になれる「上京」が、その「一人っ子」気質に磨きをかけた、と言えば変だろうか。『村上朝日堂』では、上京したときのことをこんなふうに語っている。 「生まれてこの方、一人で暮らしたのははじめてだったから、毎日の生活はとても楽しかった」》 一人が苦にならないということである。ちなみにビートルズの邦訳タイトルは「ノルウェーの森」。
by sumus_co
| 2012-10-23 20:41
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