東京ミッドタウンのデザインハブへ。「
ムサビのデザイン 武蔵野美術大学のデザインコレクションと教育」展および「ダイアグラム教育展 太田徹也の教育の軌跡」を見る。1950年代から70年代までのポスター、椅子、雑誌、工業製品、玩具等約200点が展示されていたが、まあ二百点でどうこうは言えないにしても、デザイナーものの椅子がズラリと並んでいるだけでもちょっとした見物ではあった。

ミッドタウンへ行く前にまず
出光美術館へかなり久し振りで出掛けた。「東洋の白いやきもの」展。
《白磁は、6世紀の中葉に、中国陶磁のニューウェーブとして誕生しました。中国陶磁は、青磁を主流として発展してきましたが、初期の白磁は、北中国において、その青磁釉の鉄分を去ることによって生まれました。白い素地に透明になる釉薬をかけて高火度で焼く白磁の出現には、当時すでに盛んであった東西交流の刺激、とくに西方のガラス器あるいは銀器への憧れが動機となったとも考えられます。》
朝一番だったので観客は二十人程度だった。ゆったりと白い器の数々を眺めてからセルフサービスの給湯コーナーでお茶を飲んだ。ずらりと並んで椅子に腰を据えて茶をすすりながら広々とした宮城を見下ろす。
ところがこの日は展望スペースの端の座敷(茶室朝夕菴)の前で外国人が六七人集まっており、通訳を介して学芸員氏の説明を受けていた。出光美術館とはいかなる美術館かうんぬん。中年女性の通訳はじつに流暢な英語を喋っていた。むろん美術や歴史用語にも通じている。聞くともなしに聞いていると、クリスティーズだかサザビーズだかでジョークとしてささやれる略語についての話が出た。重要な売立てがあったときにコレクターたちが悩まされる三つのD(3D)とはなんでしょう? というクイズだ。どうしても欲しい二度と市場に出そうもない品が現われるとコレクターたちが直面する3Dだそうだ。さてなんでしょう?
やや遠かったので聞き間違っていたらごめんなさいだが、debt(借金)、deficit(赤字)、divorce(離婚)だそうである。さもありなん。
出光佐三のコレクションは仙厓の『指月布袋画賛』にはじまり同じく仙厓の『双鶴画賛』に終わったという。田能村竹田のコレクションも素晴らしい。