
映画「大統領の陰謀 All the President's Men」(アラン・J・パクラ監督、一九七六年)より
ライブラリー・オブ・コングレス(アメリカの議会図書館)の登場したシーンをいくつか。映画はウォーターゲート事件の発端となったワシントン・ポストの二人の記者たちの活躍を描いている。彼ら(ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマン)はニクソン側が議会図書館でエドワード・ケネディ(ニクソンの最有力の対立候補とみなされていた)の調査をしたという情報に基づきその裏を取りに出掛けるシーン。階段を登るウッドワード記者(レッドフォード)の背後にはホワイトハウスが鎮座している。
一八〇〇年。議会図書館(The Library of Congress)はジョン・アダムス大統領のときに設立された。しかし一四年後にはイギリス軍によって焼き払われてしまったため元大統領のトマス・ジェファーソンが自らの蔵書(6,487冊)を新たな議会図書館を設立するために提供した。翌年それは正式に受け入れられ今日の議会図書館の礎となった。
一八七〇年の著作権法によりすべての著作物は二部納本することが決められた。ところが当然ながらそれによって大量の書物や資料類が集まってきたため新しい建物を建築する必要に迫られた。コンペが行われた結果一八八六年に John L. Smithmeyer と Paul J. Pelz の設計したイタリア・ルネサンス様式の設計案が採用され、一八九七年一一月一日になってようやく新しい建物は一般公開された。
現在のコレクションは 144,000,000 アイテムを超える。書籍および印刷物は 33,000,000 冊。写本・原稿・自筆ものは 66,000,000 点以上。その他、音楽媒体なども多数所蔵しているそうだ。
下は利用状況の調査をしたいと司書(?)に掛け合っている場面。一九七二年の設定なので当時のライブラリアンはローレンス・マンフォード(
Lawrence Quincy Mumford)だったろう。左に掛かっている肖像画は
六代目ライブラリアン Ainsworth Rand Spofford のようだ。
この回廊はたしかにイタリア・ルネサンス風である。
貸し出し係のお兄さん。記者たちは貸し出し票を調べたいと言って出してもらいしらみつぶしにチェックしはじめる。

結局は証拠となるものはすでに隠滅されてしまっており、何も手がかりは得られなかった。
映画そのものは70点くらいの出来だろうが、当時の新聞社の様子、まだパソコンも携帯電話もない(ファックスはある)オフィスや文房具類のデザインがとても興味深いのである。