古い古書目録をいくつか下鴨で入手した。『古書籍即売会出品目録抄』(京都烏丸丸物、昭和十六年六月一日〜八日)。参加店はキクオ書店、イデア[ママ]書店、京都書院、西村為法館、金元書店、若林春和堂、文栄堂、北川白州堂書店。
『和漢洋古書籍即売展出品目録』(京都四条大丸、昭和十六年十一月四日〜九日)。参加は丸物と同じメンバー。「京書会」と名乗っている。キクオ書店、イデヤ書店、京都書院、西村為法館、金元書店、若林春和堂、文栄堂、北川白州堂書店。
『第二十三回古書籍即売会』(大阪高麗橋三越、?年五月二十五日〜三十日)。ロゴス書店、中央堂書店、尾上蒐文堂、カズオ書店、玉樹香文房、中尾松泉堂、公立社書店、清和堂書店、杉本梁江堂。
『古書即売大市出品目録』(京都駅前丸物、?年一月十九日〜二十七日)。ロゴス書店、玉樹香文房、更正閣、文栄堂、芸艸堂、白洲堂、イデヤ書房、為法館、京阪書房。「京阪神古書即売会聯盟」。年代がはっきりしないが、昭和十年代であろうか?
『阪神古書即売会出品目録』(大阪梅田阪神百貨店、?年六月二十四日〜二十九日)。参加書店は明記されていない。昭和四十年前後か? モノクロ写真の図版が十二点掲載。その第一番目は本阿弥光悦歌切二〇〇、〇〇〇。
ざっと中味を見て小生にも興味が湧いたのは三越の目録である。まずは神戸のロゴス書店の頁より。かなり丸が付いている。値段のない目録だが、旧蔵者の鉛筆で漱石『行人』の上に「30.」とある。三十円か。「日本の古本屋」を見ると大倉書店初版なら現在数万円から二十万円くらいにはなっている(本の状態によって値段に開きが出る)。
同じく三越の目録から
「蒐文洞主・尾上政太郎」の頁。こちらも旧蔵者の鉛筆書きによれば芥川龍之介『羅生門』が「15」、谷崎潤一郎『春琴抄』が「10」円。夢二の本を揃えているのも蒐文洞(堂)らしい。
阪神百貨店の目録がA5判の他はみな同じ四六判(タテ19cm)。