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亀高文子

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『画業75年をふりかえる 亀高文子自選展』(西宮市大谷記念美術館、一九七五年)を入手した。渡辺与平(宮崎与平)の妻だった女性。神戸市立小磯記念美術館で特別展神戸の美術家「亀高文子(かめたかふみこ)とその周辺」という展覧会が二〇〇九年に開催されていたが、これは知っていながら見逃した。おろかもの!(図録も売り切れのようだ)。今井朝路といい、小磯記念館はいい仕事をしている。

明治十九年七月九日横浜生まれ。父・渡辺豊洲は日本画家・水彩画家。豊洲を取り巻いていた若者のなかに小杉未醒がいた。明治三十五年、日の出女学校中退、女子美術学校本科西洋画科に入学。明治四十年女子美術学校高等科卒業。未醒の紹介で満谷国四郎に入門。太平洋画会研究所に入り、中村不折にデッサンの指導を受ける。四十二年第三回文展に「白かすり」入選、褒状受賞。宮崎与平と結婚するが、四十五年六月与平歿。大正七年亀高五市と結婚。女流洋画家研究団体「朱葉会」創立に参加。大正十二年神戸熊内に移住。大正十五年赤艸社女子絵画研究所を設立。昭和十九年愛知県渥美半島に疎開。昭和二十三年神戸に戻り二十四年西宮へ移転。昭和五十二年歿(本カタログは生前のもので歿年の記載はない)。

上は「日本髪の少女」(一九〇九)。下は渡辺与平展図録より亀高文子の「離れ行く心」(一九一三)。この顔立ちはどうみても文子自身の自画像である。
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下は与平作「習作」(一九一〇)。これは妻文子を描いたもので、文子は「離れ行く心」を描くにあたって与平の「習作」を写し取ったと思われる。「離れ行く心」というタイトルは暗示的である。再婚を考えていたのだろうか。
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文子の「食後」(一九一六)。与平展図録より。『ANIMAL BOOK』という文字がかろうじて読める。輸入絵本で育つ大正の子供たち!
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文子の「ジャキー」(一九二二)。亀高文子自選展図録より。色鉛筆「DIXON」を小脇に抱えている。
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the Dixon Ticonderoga Company は一七九五年創業。現在も筆記具やデザイン用具の製造会社として健在のようだ。こちらは一九一〇年代のディクソンの色鉛筆。文子が描いた箱に似ている。
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by sumus_co | 2012-08-22 19:57 | 雲遅空想美術館
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