
昨日届いた『文化往来 美の風』(「美の風」編集室、二〇一二年八月二〇日)に辻智美「神戸の美術家 今井朝路 赤マントの画家」という論稿が載っていた。辻さんは小磯良平記念館の学芸員の方。今年の始めに今井朝路展があったのは知っていたのだが、つい見逃してしまった。同館に作品寄贈があったのだとか。
今井朝路(本名=朝治、あさじ)は明治二十九年二月七日神戸市生田区元町通五丁目で度量計測器製作販売輸出業を営む今井善兵衛の次男として誕生。明治四十五年、上京して日本画家の尾竹竹坡、国観兄弟のもとで学ぶ。大正四年に神戸に戻り個展を開催。川西英と親交を結び、油彩画を始める。大正五年二月、カフエーオリエントで個展を開催。詩、短歌、俳句もつくる。大正七年「第六回抒情画展覧会」開催。この目録に富本一枝が詩と木版画を寄せている。大正八年劇団「パルナス座」を結成。その後ヨーロッパへ遊学、パリの画塾で学ぶ。昭和二十六年一月二十日、園田駅のプラットホームから転落して事故死。
元町通りを赤いマントを翻して闊歩したことは有名だったらしい。写真は上が「水精」(油彩、一九四九年)、下が「果実を持てる女」(一九一五年頃)。