
『新生第一詩集』(新生同人社、一九三七年一一月二〇日、174×195mm)が届く。某書店の目録に出ていた。久し振りにいい本が買えた。
臼井喜之助(臼井喜之介)が昭和十年八月に創刊した詩誌『新生』。その同人や関係者のアンソロジー詩集である。
『新生』再刊第一輯(新生編輯所、一九四〇年)については別に書いたが、再刊ではない初刊の『新生』というのがどういうものか、これまで図版でも見たような記憶がない。『新生第一詩集』はどこかで見た記憶があるのだが、憶い出せない。
序文が百田宗治、序詩が西村陽吉。以下後日の検索のために執筆者一覧を引き写しておく。天野隆一、安藤真澄、麻生虔一郎、浅見勝治、秋沢弘子、有馬豊、臼井喜之助、岩崎宇三郎、右馬礼三、岡山聖虚、丘路映美、柏寿荘、加藤勤、上木猛、久保村薫二、小西武、鹿田直美、白石文造、杉山平一、俵青茅、田淵久市、高橋隆寿、丹治周子、辻孝三郎、土橋義信、南江二郎、半井康次郎、中林正也、萩原暎二、原田保、柊修子、法城寺閑、松井広、牧博美、三木敏、瑞木菁子、依田義賢、吉見茂、渡辺喜一郎。
臼井喜之助の略歴が《京都市・大正二年四月十五日生、京都二商出身、昭和十年八月「新生」創刊、引つづき編輯に従ふ。現住所、京都市北野瀧鼻町(電西陣三〇八六)、星野書店編輯部勤。(筆名、磯貝 純。》となっており、ウスヰ書房(臼井書房)を興す以前である。創業は昭和十三年十一月。
もう一人鹿田直美の略歴が気になった。《京都市・大正六年八月二十二日生。京都一工出身、歌誌「自然」に関係、新生同人、現住所、京都市三条河原町西入、そろばんや書店内。(電話本局二六一〇)》
『新生第一詩集』の発売元がそろばんや書店となっているのは鹿田直美が同人だからということか。鹿田(しかた)という名前は大阪船場の有名な書肆「鹿田松雲堂」を連想させる。そろばんや書店は鹿田一族の誰かの経営だったのかもしれない(?)。

扉

杉山平一さんの詩もあった。
愁雨
一日一日と生きてきてゐたものを
猫の仔は死んでしまつた
瞳が海のやうに碧くひらいてゐた
いつの間にか ぬか雨が柔い毛をしめらせてゐた
樋がすすり泣きはじめた

出田忠夫「煙」。この工場はどこだろうか?