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時代を駆ける 吉田得子日記![]() 題 名=時代を駆ける 吉田得子日記 発行日=2012年6月9日 著者等=女性の日記から学ぶ会編 島利栄子 西村榮雄 責任編集 発行所=みずのわ出版 http://www.mizunowa.com/index.html 装 幀=林哲夫 用紙等=カバー テトン うすクリーム 四六判Y目102kg 表 紙 里紙 稲 四六判Y目100kg 見返し 里紙 すすき 四六判Y目130kg 別丁扉 ハーフエア ヘンプ 四六判Y目90kg 寸法等=A5丸背上製 タテ217mm ![]() 《筆者の吉田得子さんは1891年生まれで、女学校卒業後、教師に。結婚、出産、婚家の農作業を手伝いながら教職を続け、夫とラジオ店を開業。15歳で日記をつけ始め、83歳で亡くなる直前まで続けた。》 装幀にかかる前にゲラのごく一部だけを見せてもらったが、岡山県で暮らす吉田一家を取り巻く時代の空気がとてもよく感じられる貴重な資料だと思った。摘録ながら、まさに生活の断片が淡々と綴られており、それがかえって感動的ですらある。 まずは書物に関係する事柄を拾ってみると、女学校時代の読書は『金色夜叉』だった。明治四十一年八月二十四日に続編を読み、読了したのは明治四十三年二月二十七日である。教師時代の愛読雑誌は『婦女界』、しばしば投書もしている。あるいは歴史上のおなじみの事件のときに得子は何をしていたのか、というのも興味をそそる。まずは天体観察。 《彗星[ハレー彗星大接近]を見る。生来初めなり。》(明治四十三年一月二十七日) 《彗星十八日許りもありて美しとて起き出でたれども、今朝は打ちくもりて見えず。》(明治四十三年五月十五日、この日最も接近した) 《太陽に黒点、二、三日前より見えて、直径七万哩[マイル]もあるとの記事見え居て、双眼鏡に黒硝子を当てゝ見てよくわかりたり。》(大正九年十一月六日) スペイン風邪のとき。 《休校の学校あまたなり。岡山市なども小学校殆ど休校、中等学校と高等学校も休校なり。誠に恐ろしきことになりて。》(大正七年十月三十一日) 《マスク買ひたりしも誰人もかくるをいやがる、誠にをかしき心地してかけにくし。》(大正九年一月十七日、今とは違って小さい黒いマスクだった、かもしれない) そして関東大震災の直後には被災地へ古本を送るという現代と同じような活動をしていたことが分かる。 《震災地へ送り与ふべき古本の荷造りして、自転車隊全部に分配、郡役所へ送るべくわかつ》(大正十二年九月二十二日) 太平洋戦争が始まった。 《午前七時臨時ニュースあり。英米軍の交戦状態に入りたる旨公報あり。早速、表に提示すべく大書す。木の葉かきに行く考へなりしも中止して、ひっきりなしに入るニュースをきく。》《[欄外]警戒警報出でたり。》(昭和十六年十二月八日、ラジオ店をやっていたため) 戦争が終わった。 《正午、重大放送あるとの事に、日ソ宣戦布告か講和かと想像しあふ。(客まねく)。工場より工員達整列してきゝに来る。大陛下の玉音にて、和を求め給ふ旨、勅ありたり。》 前にも書いたが、この玉音放送を聞いた多くの庶民には日本敗戦が伝わらなかったようだ。その証拠に得子は翌十六日、息子の入営の支度をしている。本書は昭和二十年まで収録だが、これはどうしても続編が読みたくなってくる。 生活や風俗の様子も手に取るように分かる。吉田夫妻は新しいモノ好きだった。自転車はもちろんヴァイオリンを習い写真機やラジオを早くから手に入れパン食を試みている。他には例えばこの記述なども面白い。 《クリスマスに行きたる児童のため》(大正六年一月二日) 正月にクリスマスの行事をする教会もあったそうだ。それからコーヒーが登場するが、さて、大正十一年では、いったいどんな珈琲だったのだろう? まだインスタントコーヒーはなかった、いや「珈琲糖」というものがあったが。 《まらうど多くなりたり。コーヒー、瓜など出して、写真撮影をすまして後夕餉を参らす。》(大正十一年八月三日) 《福岡高原氏来られ、コーヒーと角砂糖をもらふ。》(昭和五年十一月二十六日) 他にもいろいろな記述があって感心することしばしば。とくに次のくだりは意外だった。 《竹久夢二兄君帰村されし由ときゝて逢ひたき心地す。昔の顔はよく覚えず。》(大正三年一月二十六日) 得子は竹久夢二と幼友達だったという。帰村は夢二の年譜に追加できるのではないだろうか?
by sumus_co
| 2012-05-28 21:14
| 装幀=林哲夫
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