
鈴木三重吉『世界童話集 星の女』(春陽堂少年文庫23、一九三二年一〇月一五日)。表紙は木村荘八。ルネサンスのオーナメントを(おそらく外国の装飾図案集から)ペンでスケッチしてあしらってある。
以下の挿絵が誰の作か、この文庫には記されていない。大正六年春陽堂刊の元本を検索してみると清水良雄装画だった(ほるぷの復刻があるようだが、これまで見た覚えがない)。そう言われてみると、たしかに清水良雄である。

「星の女」より。インドの民話らしいが「羽衣」と似たような構造だ。そして芥川龍之介の「蜘蛛の糸」(初出『赤い鳥』一九一八年七月)は「星の女」のイントロをパクっていた、というかパロディだったかもしれない。《そんなにいきたければ、蜘蛛の王さまにさう言つて、蜘蛛の糸をつたはつて下しておもらひなさい》という月の夫人の言葉で星の女三姉妹が下界の泉に降りて来るのだから。

「象の鼻」。こちらはキップリング原作だが、芥川龍之介の「鼻」(初出『新思潮』創刊号、一九一六年)を連想させる話。像の鼻はなぜ長いか。

「大烏」。少年が大烏に次々と試練を与えられて一人前以上の男になるというデンマークの不思議なお話。

「ぶくぶく長々火の目小僧」はロシヤのお話。なかなか面白い。桃太郎の鬼退治みたいにというか、Xメンのような三人の特殊能力をもつ家来を連れて嫁取りに出かける。奇想天外とはこのこと。
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