
プレヴェール『唄のくさぐさ』(小笠原豊樹訳、昭森社、一九五八年一〇月一〇日)。薄っぺらくて軽い、何ともお粗末な造りだが、こういう本が好きなのだ。「あとがき」でも原テキストについては何も触れられていないが、柏倉康夫『評伝ジャック・プレヴェール』(左右社、二〇一一年)を開いてみるとすぐに分かった。
《翌一九五三年四月三十日、「昔」という序詩に次いで、プレヴェール十四篇の詩に、クリスティアーヌ・ヴェルジェが曲をつけ、表紙を含めてファビアン・ロリスの絵四点を添えた『歌の塔』が、ローザンヌの書籍組合から出版された。「動物たちは退屈している」「沖仲仕の心」「私は待つ」「配達」の五篇はこのとき初めて活字にされた。この本はプレヴェールの詩篇のあとにヴェルジェの手書きの楽譜が印刷されている豪華本だった。》
ということでオリジナルは『TOUR DE CHANT』(LAUSANNE, LA GUILDE DU LIVRE, 1953)であった。フランスでの古書価は50から100ユーロ程度はしているようだ。
ジャン・コクトー風のイラストを提供しているファビアン・ロリス(Fabien Loris)は本名ドミニク・ファビアン・テルラン(Dominique Fabien Terreran)、俳優である。一九〇六年パリ生まれ、七九年歿。初めボクサー、次いで画家になった。プレヴェールと知り合い「グループ十月」(le Groupe Octobre)に参加、これがスクリーン・デビューへとつながった。一九三二年から五五年の間に二十本ほどの映画、主にジャン・ルノワールやマルセル・カルネの監督作品に出演している。
Fabien LORIS (1906/1979) créateur de « Les enfants qui s’aiment » de Prévert
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『春の古書即売会目録』、個人的には驚くべき一冊を発見し、慌て気味に注文ハガキを投函した(二十九日抽選とか)。注文はしなかったが、青木正児(迷陽逸人)『金冬心之芸術』(彙文堂書店、一九二〇年)がカラー図版で出ているのを見つけて「こんな本だったのか!」と声が出た。目録だけを眺めると、今年はけっこういい本が並んでいるように思った。
パリでもグラン・パレで古本市だあ!
Salon International du Livre Ancien au Grand Palais. Rendez vous pour l'édition 2012 à Paris les 27, 28 et 29 Avril 2012 de 11h à 20h.