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林蘊蓄斎の文画な日々
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Joseph Beuys

Joseph Beuys_b0081843_2023994.jpg

抽き出しの奥から出て来た絵葉書。一九九八年十月、学芸員のSiさんからもらった。「Infiltration Homogen für Cello」(1965-85)。

ヨーゼフ・ボイスについては一九八〇年のデュッセルドルフで何点かの作品を見たはっきりした記憶がある。とは言うものの、さてそれがどこだったか、旅日記を調べてみたのだが、書かれていなかった。まだマイナーな作家だったのだろう。美術史的にはその前年の一九七九年にニューヨーク市のグッゲンハイム美術館で大規模回顧展が開かれたことによって現代美術の巨匠の一人に仲間入りしたわけだが、小生は同時代美術についてはアンテナを立てていなかったので知らなかった。日本では西武美術館が一九八四年に回顧展を開いてようやく一般の美術ファンにも知られるようになったと言っていいと思う(むろんその展示は大津西武で見たはずだ)。

おそらくKunstsammlug(美術館)だったかな、とも思うのだが、公園のなかに位置しており、別館のようなところに同時代美術家の作品を集めた展示場があった(今HPを覗くと、すごく立派な建物になっている)。そこで常設展示として植松圭二らの作品とともに何点か並んでいた、と覚えている。ただし日記にはジャスパー・ジョーンズとポロックとモディリアニを見たことしか書き留められていないのだ。若かったなあ。

それはそれとして、久しぶりに開いた滞在記には、当時の雰囲気が濃厚に漂っているので少しばかり引用しておく。八月二十三日朝、アムステルダムを列車で出発した。

《三時間弱でデュッセルドルフ。両替、食事、ポスト、インフォ、と行ってオーハラさんに電話、四時にもう一度して欲しいということで五時に日航ホテルで待ち合わせ。郊外のアパートへおじゃまする。引越したばかりで少々片づいてないがきれいで広く約八万円くらい。そこで一息いれた後、毛布とマットを取りに彼の友人宅へ。ドイツ人の修復仲間の女性のアパート。東独の作家の作品がいくつか修復中。良いのなし。そののちケイジ・ウエマツさんのアトリエでマットをもらう。そこへちょうどノダさんという人が来ていたが版画家のノダさん。ウエマツさんは、九月四日からミュンヘンの美術館(カンディンスキーのコレクションで有名だとか)で個展をしてもらうとか。》

野田哲也と植松圭二のお二人にこんな形で出会っていたとは! このとき植松さんが写真の個展を開いたのはレンバッハ・ギャラリー(この後ミュンヘンへ行ってこの個展を見た)。デュッセルドルフは日本人も多く、住みやすい街だと言われていたが、日本人アーティストも多かったようだ。

《夜、オハラさんの友だちなどと食事。シラカワ氏(立体作家でデュッセルが世界から選んだ十三人の立体作家のなかに選ばれたそうで、ストラスブルグで哲学を学んだ後美術転向、パリ等でアカデミィへかよいデュッセルでまたアカデミィへ行っているそうだ)、もうひとりはアマギ氏、ムサビの彫刻を出ている私と同窓生で、Seさんを知っていた。ところがもっと縁が深いことにシラカワ氏はパリで私と油絵で同級生だったNaと知り合っており、彼からドイツの学校を探して欲しいと頼まれたこともあるそうだ。世の中、広いようで狭い。》

検索してみると、シラカワ氏というのは白川昌生氏のことのようである。《1981年ドイツ国立デュッセルドルフ美術大学卒業》となっているから間違いないだろう。

結局、オハラ家には四泊させてもらった(親子三人)。どういう知り合いだったか? 忘れてしまった。誰かにデュッセルに行ったら訪ねたらいいよ、などと言われたのだろう、このとき初対面だったことだけは確かである。何年か経って帰国しておられると聞いたが、このとき以来お会いしていない。その節は、お世話になりました。
by sumus_co | 2012-04-25 21:18 | 雲遅空想美術館
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