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柏木如亭を偲ぶ

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柏木如亭を偲ぶ_b0081843_2064962.jpg

『「日本文化研究会」会報』四号(日本文化研究会、一九九八年九月三〇日)より永観堂墓地内に復興された柏木如亭の墓碑および如亭筆山水図。《生田耕作がまだ存命中のことですが、晩年は江戸漢詩を盛んに勉強していたんですけれど、京都で生田を中心に四、五人集まり、江戸漢詩の勉強会をしておりましてそれを〈日本文化研究会〉と称しております。最近では東京に支部もできまして、やはり四、五人のかたが江戸漢詩の勉強会をしております》と生田かをるさんがこの冊子の巻頭に述べておられる。

末尾の「研究会活動報告」によれば平成八年二月に生田歿後初めての会合を開いた。そのときの参加者は生田かをる、坂井輝久、八幡吉治、松本完治、野村竜夫。賛助会員が東条良人、川島紘一、佐々木一彌、西北八島、鎌田大。東京支部の参加会員は守安俊二、有馬浩一、村山徹郎、福原大介、椎名麻后、平田雅樹。一〜三号の特集は下記の通り。

一号「いい加減にしろ」ー「鴨川改修計画」批判
二号「洛中洛外雑詠抄」ー木水彌三郎翁追悼
三号「風景は文化なり」ー鴨川東岸「花の回廊」整備計画批判

そして四号が「江戸のボードレール 柏木如亭を偲ぶ 如亭墓碑復興記念」。荷風を初めフランス文学好きは、共通するものがあるのだろう、江戸後期の漢詩人をも好むようだ。

柏木如亭、名は謙、字は益夫、後に名を昶(ちょう)、字を永日に改めた。号を舒亭、後に如亭。黙斎、痩竹、晩晴堂、一杖閑客などとも。家は代々江戸幕府小普請方大工棟梁を務める。長男として宝暦十三年(一七六三)江戸に生まれた。少年期に父母と死別。十七歳で家督を継ぐ。市河寛斎の江湖詩社に参加、新進詩人として頭角を現す。寛政五年(一七九三)に第一詩集『木工集』出版。遊蕩にも耽溺し、大和屋太郎次、山東京伝、村田春海らとは遊興仲間であった。三十一歳で一族の者に家督を譲り職を辞す。諸国を遊歴して詩を教え、また書画を揮毫して糧を得る生活に転じた。信州中野、越後新潟、東海地方、京、備中、伊勢、讃岐、そして京都に戻ったのが文化八(一八一一)。頼山陽、浦上春琴、小石元瑞、田能村竹田らと交遊。詞華集『海内才子詩』を編む。諸国を遊歴しながら江戸に戻る。大窪詩仏の詩聖堂に旅装を解く。だが、様変わりした江戸になじめず上州から信州、越後を辿りながら文化十五年(一八一八)京に帰り着いた。黒谷の廃寺を借り紫雲山居と名付けて身を寄せる。金策のため讃岐の金比羅へ渡る。文政二年(一八一九)には伊勢四日市へ出向き若き梁川星巌と邂逅。意気投合。体調の勝れなかった如亭は遺稿集の出版を星巌に託した。同年七月十一日、京に戻ったとき水腫が悪化し木屋町の貸座敷へ移されて、そこで息を引き取った(揖斐高「柏木如亭略伝」より抜粋。柏木如亭『詩本草』岩波文庫、解説)。

上の墓碑は一九八六年、当時大阪大学国文科の新稲法子さんが卒論のために柏木如亭を選び、如亭年譜(揖斐高編)に永観堂の墓石が失われていると書かれていたのを読んで実地検分に出掛た。二度目に訪ねたときに崖に埋もれているのを発見したのだという。そしてその墓石が日本文化研究会によって復興され開眼供養が行われたのが平成十年四月五日。それを機にこの会報が発行された。
by sumus_co | 2012-04-11 20:32 | 京のお茶漬け
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