軟陶のカップとソーサーだが、セットではない。カップは二十年程も前に求めたもの。ソーサーはつい先日、二百円だった。ソーサーの裏面には「1790 Avon Scenes Palissy England A Royal Worcester Ltd Subsidiary」と焼き付けられており、検索してみるとイギリスのパリッシー窯(
Palissy Pottery Ltd)で一九六〇年代に作られたものらしい(
Palissy Avon Scenes China)。パリッシーは一九五八年に英国最古の窯元とされるロイヤル・ウーセスター(
Royal Worcester Ltd)に吸収された。
カップの方はもっとずっと古いように思えるのだが、窯元のマークもなく、このブランコ遊びの模様はよく見かけると思いつつも、知識不足のため素性は分からない(ご教示を乞う)。
検索してみると、ほとんど同じ図柄(左右反転した図)がゴブラン織のタピスリに見られる。
フレンチ・タペストリー 『ブランコ遊び』
十八世紀のタピスリにおける主題のひとつだった。
Le Retour de Tobie Tapisserie de la La Balançoire Tapisserie de Beauvais
フラゴナールが有名なブランコの絵を描いている。
J.-H. Fragonard, Les hasards heureux de l'escarpolette (la Balançoire) (1767).
ワトーにもブランコを描いた銅版画がある。
La technique de la gravure sied parfaitement à la délicatesse du trait d’Antoine Watteau (1684-1721).
ぶらんこ(ポルトガル語 balanço から?)は「ふらここ、ぶらここ」とも言い春の季題。鞦韆(しうせん)、秋千、半仙戯(はんせんぎ)とも。