
久しぶりに駒場の日本近代文学館へ。閲覧室に入るために二〇〇二年に作った入館証を出す。使用期限はないそうだ。ここだけにしか所蔵されていない(と思ったのだが国会図書館にもあった)ある資料を閲覧する。館内のパソコンで検索すると二冊あった(登録名が少し違っていたが、現物を見ると同じものだった)。表紙と奥付だけコピーしてもらい、目次などはメモする。

当たり前だが昔ながらのカード検索もできるようになっている。

喫茶室は開いていなかった。以前来たときにはここでたしかカレーライスを食べた。ちょっと忘れられない味だった。

資料閲覧を終えて、昨日の疲れがドッと出るのが感じられたため文学館のすぐとなりの旧前田侯爵邸へ入って一休みする。入場無料。手入れが行き届いている。

縁側に寝転んで(「人の前で寝転ばないこと」という注意書きありしも、他に誰もいなかったので)一息入れる。縁側の日差しが暖かでとても気持ちいい。

渋谷から銀座線で銀座へ。

ギンザ・グラフィック・ギャラリーのロトチェンコ展を見る。こちらも入場無料。図録で見た通りの充実ぶり。世田谷文学館のチケットをもらっていたのだが、電池切れの感じで、申し訳ないが、諦める。
某氏と夕食を摂る。少しエネルギー回復。そこを少し早めに切り上げさせてもらって高円寺の古本酒場コクテイルへ。高円寺駅から中通商店街を西方向へしばらく歩くと、一目で分かる店構え。ここに移ってからは初めて入る。岡崎武志さんの誕生日と出版記念を兼ねたパーティで、さすが岡崎人脈というか人望というか、老若男女が詰めかけて、かなりもう賑やかに盛り上がっていた。おにきち(荻窪西荻吉祥寺)の若手古本屋さんたちも揃っている。ピッポさんの室生犀星朗読がはじまったり、小生も竹尾賞の報告をさせてもらったり、夜更けとともに盛り上がる感じ。いろいろな方とお話できた。中国隠居翁の陶片密輸話が興味津々。そして何と言っても古ツアさんにお目にかかれたというか、実物を拝見できたのが収穫だった(!)。想像通りのようでもあり、意外性もあった(と前にも書いたような感想)。
なかに実相寺監督と仕事をしたこともあるという某氏が小生の著書を愛読してくださっていると、少々(かなり?)の酔眼で話しかけてきてくださった。
「いや〜、あの本よかったよ、何度も読み返してますよ、ボン書店」
あいたた。それ、わたしの本じゃないんですけど。
「ほんと、いい本だ。ボン書店ね」
だから、内堀さんの本ですって。
「林さん、ボン書店いいよ」
もう仕方ない。「有り難うございます。うれしいです」
「ボン書店、いいねえ、じゃ、帰るわ」
またどこかで。じゃ、そろそろ贋内堀も失礼します。たけなわの宴を後にして宿に戻る。

内堀さんと言えば、昨日のパーティのときに高橋輝次さんが見せてくれた『近代文学古書目録/石神井書林・在庫書目第肆号/昭和伍拾捌年師走』。文庫サイズだったということは聞いていたけれど、現物は初めて目にした。高橋さんによれば、どこかの古書目録に出ており、それなりの値段が付いていたが思い切って注文したとのこと。