
野崎泉『鈴木悦郎 詩と音楽の童画家』(らんぷの本、河出書房新社、二〇一二年二月二八日、装幀・レイアウト=堀口努)。
『東郷青児 蒼の詩 永遠の乙女たち』(河出書房新社、二〇〇九年)につづく一冊で野崎さんのこだわり乙女ぶりが存分に発揮されている。この絵柄には見覚えがあるものの、鈴木悦郎という作家については知らないことばかりで、新しい発見の連続。巻末の年譜からごく一部を要約・転記しておく。
一九二四年 一月二〇日 東京浅草生まれ。本名鈴木一郎。
一九三九年 中原淳一を訪ねた縁で淳一グッズの店「ヒマワリ」の店番をつとめる。
一九四一年 東宝舞台入社。東京宝塚劇場の舞台背景を描く。
一九四四年 陸軍入隊。
一九四六年 五月復員。『少女の友』に初めて鈴木越郎の名前で挿絵を描く。
一九四八年 松本かつぢの命名でペンネームを鈴木悦郎とする。
一九五〇年 猪熊弦一郎の絵画研究所へ通う。新制作派協会展初入選。
一九六二年 ギャラリー・セゾンで初個展。
一九七五年 パリを拠点に欧州を巡る。

少女雑誌のためのアイデアノート。カットの習作。スクラップブックでもある。才能の豊かさがうかがえる。

《終戦後に誕生した少女雑誌『ひまわり』の編集部は、神田の神保町にありました。1階が売店、2階が美容室、そして3階が編集部となっていたそうです。当時の広告を見ると、売店で扱っていたグッズは淳一便せんやしおりのほか、ハンカチーフやコンパクト、「令女バッグ」といった気になるアイテムも。》
夢二やスミカズの時代とほとんど変らないと言ってもよさそうだ。