
THORA GOLDSCHMIDT『Bildotabuloj por la instruado de ESPERANTO』(FERDINANDO HIRT & SOHN, 1923)、これはいつだったか忘れたが、もうかなり前から書棚にあるエスペラント語の入門書。駅、街路、ホテル、郵便局など、絵入りで、その場面場面で必要な単語と会話が並べられている。

時計、画家の仕事場。

さまざまな職業のうち、中段左から、印刷所(presejo)、製本所(librobindejo)、本屋(librovendejo)。
扉に捺されているゴム印。

巻末に旧蔵者の印と購入日(?)の書き込み。

急にこの本を思い出したのには理由がある。じつは本年元日の記事
『舒菴詩鈔』を読んでくださった読者の方よりご教示をいただいたのだ。
舒菴井上萬壽藏は学生時代からのエスペランティストで、長く日本エスペラント学会の理事を務めた。鉄道省外局の国際観光局に勤務した関係から日本初の観光学概説書『観光読本』(一九四〇年)を著し、観光を定義づけして産業や行政の中に位置づけるのに功績があった。一九三一年から三三年まで観光研究のため欧米に派遣された。
《エスペラントと旅とに共通に関心を抱くという点で、井上は柳田國男をとりまくエスペランティストの一人でもあります。彼の漢詩の中での自然描写も観光への関心と結びついていると捉えることもできるでしょうか。》
とのことである。たしかに海外旅行を主題にした漢詩が収録されていた。「遊欧雑詠」より「巴黎所見」。
林園接境古王宮。
噴水冲天帯彩虹。
行見曾遊蹤歴歴。
凱旋門外立薫風。