
熊田司さんの個人雑誌『えむえむ』(二〇一二年二月一日)が届いた。
第一号は河野通勢の「丸善跡」が掲載されていたのを紹介した。今回は小生も寄稿させていただいている。「まぼろしの高桐書院版『失われた時を求めて』をめぐってーー淀野隆三日記より」と長々しいタイトルをつけたが、戦前から新潮社版が出るまでの歴史を簡単にまとめつつ高桐書院版が出版されなかった経緯を主に淀野日記と井上究一郎書簡から考察している。

拙文以外はすべて熊田さんのコレクションおよび文章。小特集=からんどりえ[暦]は図版たっぷり、見応えがある。

「一九四九年・神戸」では西村元三郎という神戸の画家を紹介しながら熊田さんの生まれ育った神戸市長田区の地勢や幼少時代の思い出をつづっておられる。小生もまるまる九年間ほど長田区に住んでいた。たいへん興味深く拝読。

他には前号に続きシャルル・クロス(Charles Cros)の詩篇翻訳。田中日華、グランヴィル、瑛九らの図版と随筆。A4判・本文24頁フルカラー。
頒価500円(ご希望の方は、左欄外「お問い合わせはこちらまで」より)