
『ロッジア 11』(ロッジア、二〇一二年一月一日)。時里二郎さんの個人詩誌。内容の詳しい説明は時里さんのブログを参照されたし。毎号、エディトリアルにも工夫が凝らされ、組版もうつくしい。今号の諸作を読んで気になったのは「通訳」の存在。ここに意味深いものが感じられた。
森のことば、ことばの森
http://loggia52.exblog.jp/15214654/
***

長友啓典『死なない練習』(講談社、二〇一一年一一月一六日、表紙=長友啓典)。長友さん、食道ガンの宣告を受けて入院手術、そして無事生還されたとのことで、その体験記がつづられている。これが口述筆記らしいが、じつに大阪弁ふうの語りがテンポよく、あっという間に読み終わった。ご自身のデザイナーとしての経歴も織り込まれて、そちらも興味津々。若き日には、こんな大望(?)を抱いておられたという。
《デザインの世界で生きていこ思た時も、藤山寛美さんへの憧れは変わらへんかった。まわりの友達にも「藤山寛美みたいなデザイナーになる」と言うとった。音楽をめざすもんにとってのビートルズやローリング・ストーンズ、格闘技をめざすもんにとっての力道山が、ボクにとっての藤山寛美やった。その生き方すべてを許してしまえるほど好きやった。江戸的なかっこええ粋な男とは違う、大阪的なアホになれる粋かもしれん。》
「藤山寛美みたいなデザイナー」って…。ちょっとうるっとくるのは「あとがき」のこのくだり。
《毎日絵はがきを送ってくれた相方の黒田》
黒田は黒田征太郎さん。デザイン会社K2を一緒に経営しておられる《相棒であり、無二の親友や。そのころ、あいつらはホモやないかとうわさされるくらいに仲がよかった》。そして長友さんの三つの心得。
まあ、ええやないか
やってやろうやないの
なんとかなるわ
仕事も闘病もこの心得で乗り切られたようである。
長友啓典 日々@好日
http://brash.glam.jp/nagatomo/
***

『雲のうえ』15号(北九州市にぎわいづくり懇話会、二〇一一年一一月二〇日、表紙写真=立花文穂)。写真=立花文穂、絵=牧野伊佐夫、文=南陀楼綾繁、つるやももこ。じつに好ましい冊子である。「ひとりの市民の話」と題して十人の市民が登場している。そのなかに以前拙宅に見えた高野康作さんもおられて南陀楼氏が取材していた。
《卒業後、地元に帰って若松書房の手伝いをしながら本を揃え、自宅の車庫を改装して23歳で開業した。「初めて市場に行ったとき、先輩に『地獄へようこそ』と言われました。最初は棚がスカスカでした。なんとかかたちができるまで、2、3年はかかりました」。高野さんは店内をサロンにできないかな、などと今日も一日中、帳場に座って店のことを考えている。》
「はんのき」の中村氏と北九州市小倉の古書城田の高野氏が来宅。
http://sumus.exblog.jp/12078831/