
メトロ駅の出入口で新聞を配っている。フリーペーパー。そのまま紙名も『metro』というのから『DIRECT MATIN』や『20 minutes』というのをもらった。通勤時間が過ぎると、通路に設置してある専用の配布ボックスから勝手に取って行けるようになっている。プラット・フォームにはそれらの新聞(紙ゴミ)専用のゴミ袋スタンドもあるが、午前中のメトロに乗ると、床や座席にはこれらのフリーペーパーが散乱しているのが通例だ。
ただ内容は予想以上に充実しており、これを無料で配れば、わざわざ日刊紙を買う必要はないかもしれない。例えば、上は『メトロ』の十一月十六日号。「原子力、ストップか依然としてか」という特集の見出しページ。さらに開くと賛成派が「今止めれば410000人の雇用が失われる」、反対派が「この技術には100%安全はない」などと意見を述べており、いろいろな数字が掲げられている。来年には大統領選挙が控えているため、原子力発電の問題も大きな論点の一つになっている。PS(社会党)の最有力候補フランソワ・オランドは段階的な削減を打ち出し、廃止派のウロップ・エコロジィ - レ・ヴェール(EELV、ヨーロッパ・エコロジー・緑の党)との連携を模索しているようだった。

『ディレクト・マタン DIRECT MATIN』も政治・スポーツ・娯楽その他まんべんなく掲載。ここに掲げた表紙はじつは新聞の表紙ではなく「広告 PUBLICITÉ」。表紙の上に広告の表紙が被せてある。しかし、それがただの広告ではなく、この日十一月十七日の広告主は飢餓撲滅運動「ACTION CONTRE LA FAIM INTERNATIONAL」。「良いニュース」「直視するのがいちばん」などというコピーが裏面にも同じような写真とともに掲げられてる。「良いニュース BONNE NOUVELLE」に定冠詞が付けば「福音 LA BONNE NOUVELLE」となるし「ボンヌーヴェル」というメトロの駅もある。
次は代表的な日刊紙『ル・フィガロ』と『ル・モンド』。日本の読売、朝日といった感じ。トップはどちらも大統領選挙がらみの記事。『ル・モンド』は1.5ユーロ。街頭にある新聞雑誌の売店で売っているが、配達員が配達しているのも見かけた。この『ル・フィガロ』は週末版で4.5ユーロ。

その『ル・フィガロ』に今年一月〜九月期の日刊の有料新聞紙の発行部数ランキングが出ていた。スマートフォンやタブレットが急速に伸びている現状で、紙の新聞はまだなんとか持ちこたえている。ただ、雑誌は急激に落ちこんでいるようだし、このランキングの九位に出ている『ラ・トリビューン』は紙での発行を一時的に中止したというように、生き残りのための模索が続いているようだ。

『metro』に掲載されていた新しいキンドルの広告。たった99ユーロ。