
和田徹三詩集『金属の下の時間』(アポロン社、一九六〇年五月二〇日、装幀=北園克衛)。一九〇九年北海道余市町生れ。小樽高商卒業。『椎の木』『麵麭』『日本未来派』『眼』などに参加、一九五六年個人詩誌『湾』創刊。英語を教える傍ら詩人・翻訳家として活動。一九九九年歿。
和田徹三の詩碑。トリペルの古本フェスに出品されていた。
北園はカバーのこの写真をどこから手に入れたのだろう? あれこれイメージ検索をかけてみると、どうやら「George Washington Bridge」のように見える。それならばニューヨーク市マンハッタン区の北端ワシントン・ハイツからハドソン河をまたいでフォート・リーとの間にかかっている。一九三一年開通のサスペンション橋。とすれば、アメリカの雑誌から切り抜いたのだろうか。
表紙にラテン語タイトル金箔押しで Tempus sub metallo(金属の下の時間)。

扉はアフリカの彫刻。コンゴあたりか?

木村嘉長宛献呈署名入り。鉛筆書きのメモ。

木村嘉長も詩人である。放送作家でもあったようでメモの内容はつぎのようなもの。
《「静かな眼と歯」「倖せな蜜蜂たち」「白い鏡」「夜の汀」「昼の門」「雪と石」などが好きです。放送にたえるものなら、これらを入れたいと思いますが、たえなければ、一切をおまかせいたします。おすきなようにやつて下さい。徹三》
放送されたのかどうかすぐには確かめようもないけれど、鉛筆で振仮名などのチェックが入っているのが「倖せな蜜蜂たち」「白い鏡」「夜の汀」「雪と石」(これらは作者の希望作)および「言葉のはざまから」の五作品である。
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Pippoさんよりメールを頂戴した。
P-Wave で桑島玄二を紹介してくださったとのこと。深謝です。
《遅ればせながら、桑島玄二を当サイトでも、ご紹介させていただきました。さっそく、さがしてよんでみたい! などのお声がとどいています。》
今週の詩と詩人 56回「桑島玄二」
http://pippo-t.jp/newpage36.html