古本屋ツリーハウス(姫路市本町68、電話079-284-8844)で「
生誕100年 小山清展」を見た。著作、全集、関連書籍、そして何より雑誌『木靴』が並んでいたのが嬉しかった。シンプルながら凛としていていい感じの表紙だ。太宰治やフィリップの本、ミレーの図録なども小山清ファンならではの展示物だった。
上段に並ぶのが単行本の著作七冊と雑誌など。
阿川弘之からの葉書が展示されてあった。《御手紙拝受、いいことをして下さつて有難く、亡き小山さんに成り替つて御礼を申し上げます》
記念の冊子も作られており、一階で買物をしたら(展示は二階)手渡してくれた。これが簡素ながら心のこもった文集である。このコレクションはツリーハウス隣の二階(前はツリーハウスでした)にオープンしたおひさまゆうびん舎・窪田泰子さんのものという。ツリーハウスの顧客の吉田純一さんが店主の清水さんに小山清を教え、清水さんが窪田さんに伝え、窪田さんが講談社文芸文庫の『落穂拾ひ』を読んだのが五年前だそうだ。すっかり虜になった。
《それから、私は小山清さんの書くものを、また、まつわるものを恋するように集めるようになりました。
古本屋のずらっと並んだ本の背を眺めながら、「小」という字があるだけで、ドキッとしたんです。でも小山清さんの本と出会うのはなかなか難しくて、だから余計に出会ったときは、ほんとに嬉しいんです。そうやって、少しずつ、少しずつ、私の本棚はうまっていきました。》
生誕百年だから日野原重明先生と同い年、のみならず誕生日まで同じだった(明治四十四年十月四日)。また花森安治も明治四十四年十月二十五日生れである。展示は10日(月)まで。