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アデルの恋の物語

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駅ビルのTSUTAYAではこの夏ごろからセルDVDが315円になった。以前はもっと高かったのだが、ふつうのDVDケースに入っていた。ところがこの特価DVDはレンタル専用ボックスに入っているため天の部分に蓋がない(要するに店の棚に並んでいるやつそのままね)。そこにトリュフォーの「アデルの恋の物語 L'Histoire d'Adèle H.」(1975)が出ていたのでポイントを使って105円にて購入。

同じセルDVDコーナーでは、それ以前にちゃんとした箱入りのトリュフォー「家庭 Domicile conjugal」(1970、ジャン=ピエール・レオー主演のドタバタ劇、パリコレモデルの松本弘子出演)とアンヌ・フォンテーヌ「オーギュスタン恋々風塵 AUGUSTIN, Roi du Kung-fu」(1999)とジャック・オディアール「真夜中のピアニスト De Battre Mon Coeur S'est Arrêté」(2005)を買っていたのだが、どれもそこそこ楽しめた。フランス映画も捨てたもんじゃない。おすすめは「オーギュスタン」じゃ。

トリュフォーはアデルの物語を撮りたいと思ってずっと構想を暖めていたとき、テレビでイザベル・アジャーニを見て即決、彼女を主人公として脚本を書き上げたという。アジャーニを一躍有名にした作品である。たしかにアデルの物語はどうでもよろしい。全体の構成もアジャーニの演技もいまいちだが、花も恥じらう十八歳のアジャーニを鑑賞するための映画と思えばよくできている。

他には衣裳や建物、大道具などを十九世紀風に再現しているのがもうひとつの見どころ。アデルは英国軍人のピンソン中尉を追ってカナダのハリファックスへ渡る。中尉が本屋に立ち寄っているところを見つけ、中尉と連れの女性が出て行ったことをたしかめて店に入り、手紙を書くための紙を買い求め、ついでに中尉についてそれとなく主人に探りを入れる。

この本屋は何度か登場する。主人は「どんな本でも取り寄せます。一週間か二週間かかります」と言っていた。またアデルがユゴーの娘だと分かった後、アデルに『レ・ミゼラブル Les Miséres』をプレゼントしようとして逆鱗に触れるというエピソードも挿入されている。窓の外から本屋をのぞきこむアデル。製本用のプレスも効いている。ハリファックスのシーンはガーンジー島で撮影されたというから実在なのか。
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右が店主。杖をついている。小脇にかかえるのが手紙用紙。
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なかなかしゃれた本棚の造り方だと思う。ランプもちょうどいい感じ。
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アデル(Adèle Hugo, 1830-1915)はヴィクトール・ユゴーの第五子(次女。長女レオポルディーヌが溺死したことがアデルそしてユゴーを苦しめている)。ピアノの名手で、ユゴーの文学的才能を子供のなかではただ一人受け継いでいたと言われる(映画のなかでもむちゃくちゃ手紙を書いていました)。

ピンソン中尉はアデルにつきまとわれて辟易して軍とともに中米のバルバドス島(Barbados、現在は独立国、公用語は英語)へ移動するのだが、そこへもほとんど狂気におちいった女は追いかけてくる。この街がじつにいい。フランス植民地の往時の様子をほうふつとさせる渋い色調なのだ。まったく英国風ではない。それもそのはず、撮影地はバルバドス島ではなくセネガル(アフリカ西海岸)のゴレー島(Île de Gorée)だったそうだ。ゴレー島はユネスコの世界遺産(文化遺産)および奴隷貿易の拠点として負の世界遺産にも数えられている。

実際のアデルはこんな女性。中尉を追いかけていたころは三十代だった。
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ヴィクトール・ユゴーは作家としてあまりにも有名だが、画家としてもそうとうな実力の持主。この映画のオープニング・タイトルにもユゴーの絵画が用いられている。シュールレアリストにもてはやされた幻想的な風景画がとくに有名。それ以外にも第二帝政下に亡命していたガーンジー島(Guernesey, Bailiwick of Guernsey, 英国の属領)の自宅(Hauteville House)はさまざまな技法(コラージュ、紙削り、こすり、インク流し、吸取紙など)によって装飾されていたという。下はインクを流した跡に船を描き込んだ作品。たしかにシュールレアリストが好んだはずである。
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 *

垣根の庭木が知らぬ間にボーボーに伸び放題。台風一過でもあるし、道路側へはみ出ている枝を撃ち落として、周辺を清掃。三方が道路に面しているのでけっこうな手間だった。先日ちょいとひねった腰が良くなってきたところだったので少々ヘッピリ腰でやっていたら近所のおばさんが竹ぼうきを貸してくれた。「腰がいたいですやろ、これ使うて」と何とも有難いこと(何しろ敷地内にお地蔵さんがあるもので)。実際、竹ぼうきは石の隙間に入った小さなカケラまではじき出してくれるすぐれものだった。
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by sumus_co | 2011-09-05 22:10 | ほんのシネマ
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