
本の整理をしていたら、こんな葉書が出てきた。小判はがき一銭(明治九年より)。消印がふたつ。発は「讃岐丸亀/二十八年十二月/十六日/八便」、着は「讃岐坂出/二十八年十二月/十六日/八便」。讃岐とは小生の故郷ではあるが、小生は東讃岐の出なのでこの葉書の住所あたりにはほとんど馴染みがない。まあ明治二十八年ではいずれにしても何の縁もないだろうが。
宛先が「県下阿野郡坂出町□□/洲崎笹壹様方/福崎沢次□殿/那珂郡南吉大字柞原/福崎久勝」。まず宛名が読めませんなあ、仮にこうしておく(乞ご教示)。那珂郡は現在の丸亀市、阿野郡坂出町は現・坂出市。ペンの落書きは子供の文字だろうか。

文面も読めないが、いちおう読んでみる。何事もベンキョウ也。
前略先日御説申上候徳閑之□
如何被成候哉亦何日頃ニ御運び候て
宜しきや御承知之通り内庭大
ひニ狭隘を□け候ニ付連なる程都
合好しき□□何卒至急此事御一報
奉願候 匆々
明治二十八年十二月拾四日発信
《徳閑之□》、徳は得の意? 得閑之交? 《狭隘を先け》ではおかしいか。《都合好しき》のあとは「候間」? 姓が同じなので息子か親戚宛だろうか?
【コメント欄でご教示いただきました。ご参照ください。赤ペン先生に直された答案を前にした小学生の気持ちを忘れぬようこのままの形で残して置きます。そしてさらに別の方よりご教示いただきました。《徳閑之□》は「徳米之儀」および《連なる》は「速なる」であろうとのこと。ハ、ハー[平伏]、おっしゃる通りでございます。これで坂出町◯◯以外は解読できました。めでたい。]
この年(一八九五)に何があったかというと、まずは日清講和条約調印。三国干渉があって遼東半島を清国へ返還。台湾を日本領とし、朝鮮王妃・閔妃を殺害。帝国京都博物館完成。夏目漱石は松山中学校の教師として赴任している。
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みずのわ出版が周防大島へ移転することになった。
《前略
諸般の事情により、神戸から周防大島に移転することになりました。9月16日から17日にかけて家財道具を移転しますが、実質9月2日(金)をもちまして、神戸の仕事場兼自宅を閉鎖します。移転先は、以下の通りです。
■■仕事場
〒742-2806
山口県大島郡周防大島町西安下庄、庄北3025-2 コーポOKADA201
Tel/Fax 0820-77-2451(不在時は自宅に転送します)
※仕事場の電話は9月19日(月)より使用開始予定。》
社主の柳原氏は神戸生れの神戸育ちだが、周防大島に実家があるということで、これまでも頻繁に帰郷していた。スペースや家賃など諸条件を考えれば、豊かな自然の中でじっくり本を作るのもひとつの選択であろう。『定本古本泣き笑い日記』は移転後になるが、乞うご期待。