『時 童謡唱歌集』。宇崎純一の表紙画。女学生画報社、大阪市東区平野三丁目。奥付によれば初版は大正九年八月十日。これは九月二十五日発行の第九版。発行者は松坂寅之助(青渓)、大阪市東区平野三丁目二十九番地ノ丙。印刷者は前田印刷所の前田寅吉。編輯者が橋詰良一(せみ郎、大阪毎日新聞社員)。『時』博覧会のために募集された童謡の当選作を十二曲掲載。
『sumus』6の宇崎純一特集号にも書影を掲載しているが、それは某氏よりの借り物で、表紙に落書きがある。こちらはきれいなもの。
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スミカズの画手本に出ていて、絵葉書になっていながら、サインのないもの。これはスミカズ画手本から絵葉書の版元(画手本の版元と同じかもしれない)が勝手に流用したと考えるのが自然だと思う。流用といっても写真複写ではなく描き版(職人が元画を真似して版下をつくる)なのでスミカズと画風が少し違ってくるのである。スミカズ派と仮に呼んでおく。これについては下記にも少し書いた。
『ヤサシイ画手本』(家村文翫堂、一九二六年五月一日)
http://sumus.exblog.jp/12336501/