御幸町通夷川上ルにあったころの湯川書房の前にて。中央が湯川成一さん。日記を繙くと二〇〇二年一〇月三一日である。つまり百万遍の青空古本まつりの初日。会場からの帰途、立ち寄った。
《湯川書房へ。奈良からのお客さん二人あり。一人は株式会社湯川書房の役員とのことで、古い友人だそうだ。スポーツマンで本にはまったく興味はなく、よくいっしょに山歩きをした仲らしい。もうひとりは作家の◯◯氏。湯川の本や、その他いろいろな雑話でる。進々堂のカフェへ行って(寺町通)、コーヒーとケーキをごちそうになりながら四人でさらに雑談、今作っている「春夏秋冬」の英語版でタイトルが英訳するとピンとこないんだという話など。》
《また、事務所にもどって、お二人が帰ったので、個展のお礼を渡そうと交渉するも、受取ってくれない。まあ予想していたので、冬[ママ]の桃の短冊を聞くと10万が相場らしいというので、これもダメ(予算オーバー)。結局、岩城宏之の革装本と平野遼の画集を買うことで決着をつける。》
文中《「春夏秋冬」》は加藤静允『春夏秋冬帖』(二〇〇〇年)だろうか? 《個展》とあるのは湯川さんのところで開かせてもらった
「書物の肖像2002展」のこと。《冬[ママ]の桃の短冊》は以前アップした「夜の桃」の短冊。
中年や遠くみのれる夜の桃
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予算オーバーでも買っとけよ(!)と叱咤したくなる、まったく、我ながらなさけないやつ。