
ペインティング・ナイフを使って画面の絵具を掻き落していて、キャンヴァスを支えていた左手の人指し指をスッパリと切ってしまった。ピューッと血が噴き出した。
紙を扱うことが多いのでときたま指をしごいてしまうことがある。しかしペインティング・ナイフでこんなに切ったのは初めての経験だった。急いで水で傷口を洗い流し、吹き出す血を抑えて傷薬と塗ってバンソウコウできつめに留めた。しばらくズキズキしていたが、夜にはキーボードを触れるていどまで回復。とりあえず傷口はひっついたようだ。むろん人指し指はなるべく使わないようにするのだが、ブラインドタッチでは左手の人指し指がよく働く。こまりもの……といいながらけっこう入力しているが。
そういえば昨日妻が台所でこう叫んだ。
「カボチャで指、切った!」
南瓜をカットしたそのエッヂが鋭かったらしい。「ふん」と聞き流したのだが、本日はこちが「ギャー」と叫ぶ役回りとなったのであった。
ちなみにフランス語で人指し指(食指)のことをアンデクス(index)という。本の索引と同じである。
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『善本古書 近代資料を主とする』第十五号届く。ハナ書房もすごいが、文庫櫂の稀少詩集・詩誌などの出品物には刮目した!