
『ほんまに』vol.13(くとうてん、二〇一一年四月二〇日、表紙・絵=イシサカゴロウ)が届いた。特集が中島らもの書棚。らも家押しかけ企画中島美代子さんインタビュー、松原正武「中島さなえちゃんへ」などらもファンには必見の特集。松原氏の文章のなかに、
《もし、無人島に持って行くならというテーマで、マンディアルグの『オートバイ』の名があった。「奥行きのある文体は、何度読んでもあきないので好きだ」と書いてあった。たぶん震災後、あのプレハブの書庫に雨が入ったときにマンディアルグの本は、濡れて読めなくなったので、だいぶ、お釈迦になったのではないかなぁ。マンディアルグは、[大理石][燠火]なども好きだったみたい。》
マンディアルグ『ラ・モトシクレット』
http://sumus.exblog.jp/9846815/
また、訪問した福岡店長は『藤澤清造貧困小説集』を見つけてこう書いている。
《らもさんは『"せんべろ"探偵が行く』(2003年)のなかで、金沢の「かわべ」という食堂を訪ねています。ここを案内したのが龜鳴屋の社主・勝井隆則さんだったのです。ここからは想像ですが、おそらく龜鳴屋にも訪れたらもさんがこの本を手に取った時、琴線に触れるものがあったのでしょう。読んだ後も蔵書として大切に保管されていたのだと思います。》
ええ話やなあ。ちなみに西村賢太芥川賞受賞以来、「藤澤清造」のキーワードで本ブログを訪問する人の数が非常に多いのだが(西村氏作の年譜をのせてあるからか?)、五月になってもまだまだその傾向が続いているのにはちょっと驚かされる。
その他の内容は、中国剪紙の作家 kasparek さんインタビュー、頓花恵「トンカ書店漂流記」、牛津太郎「本のある街角から」(ジョイスの仏訳者として知られるヴァレリー・ラルボーについて)、平野義昌+イシサカゴロウ「一冊でコラボ」は山田風太郎エッセイ集成、千鳥足純生「神戸とミステリー」は西村京太郎、
竹十主人の「金色の蝙蝠・十一谷義三郎(後編)」(十二歳で父を亡くした義三郎は酒造業・高嶋太助商店の援助を受け高嶋家の屋敷で働きながら私塾「明徳軒」で十八歳まで学んだという)、「ひらの、スケベ本を読む」、「街を写す」、「店員さんオススメ本」、「子どもたちのための絵本えらび」、「映画屋さん日乗」、「アカヘル読書日記」、「電車店長」……である。あらためて読みどころ満載の堂々たる雑誌だったことを認識した。500円!
◉海文堂書店
http://www.kaibundo.co.jp/