
早春の信楽、ミホ・ミュージアムへ。長沢蘆雪を見る。筆の立つお人だ。円山応挙の門に入ったそうだが、応挙のような落ちつきが足りない。しかし足りないところを逆手にとって筆を走らせる、墨を垂らす。なかなか。

ミホ・ミュージアム通信『Shangri-La』27号。「Shangri-La」はジェームズ・ヒルトンが一九三三年に出版した小説『失われた地平線』の舞台となる桃源郷。たしかにミホもミニ・シャングリラである。小説は読んでいないが、オリヴィア・ハッシー(当時はハッセーといっていた)主演の映画「失われた地平線」(一九七二)はよく覚えている。それよりも電気グルーヴのシングル「Shangri-La」の方が有名だろうか(PS3の「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」に伝説の地として登場とか、よく知らないですけど)。
床にはめ込まれたローマ時代のモザイク。
京都新聞のお偉い方の御挨拶。
美術館とエントランスをつなぐトンネル。
今日はちょうど東京からやって来た客といっしょに直行バスに乗ってミホまで行った。ひと通り見終って、開会の挨拶も拝聴し、午後三時前にこのトンネルを歩きながらくぐって(送迎の電気自動車も走っている)エントランスまでもどった。まったく何も感じなかった。
帰りのバスが京都へ向って新名神を走っている最中、後ろの席で「東京で地震があった」という声が聞こえた。「えっ!」東京の客は真っ青になった。携帯であちこち連絡をとってみるが関東方面はまったくつながらない。
「あー、くるものが来たんだ。しょうがないよね、いつか来るもんだし。地震じゃ逃れようがないしさ。でもどうしよう。だいじょうぶかな。うちのやつ無事かな……」
にわかに落ち着きをなくして悲観的になるのももっともだ。
「まあ、まあ、まだほとんど情報がないんですから落ち着いて」
こちとら神戸の経験があるからなるようにしかならないのはよく分かっている。
「どっこも通じないよ!」
「じゃあ、うちに電話してみてくださいよ、妻がいますから」
午後四時前後だったろうか。妻がテレビで報道されていたようなことをかいつまんで説明してくれた。京都でも揺れを感じたという。東関東から東北がひどいらしい。東京はそうでもないと聞いて客はやっと少しだけほっとしていた。
みなさまのご無事を祈ります。
過去のミホ詣では下記に。
「与謝蕪村ー翔けめぐる創意ー」展
http://sumus.exblog.jp/8163617
「青山二郎の眼」展
http://sumus.exblog.jp/5594254