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『創元』第二輯(創元社、一九四八年一一月三〇日、装幀=青山二郎)。奥付では《編輯者 小林秀雄》となっているが、どうも青山二郎の方が熱心だったのではないかと思えるふしもある。第一輯に青山が梅原龍三郎について、第二輯では富岡鉄斎特集ついて書いているというのも(それも巻頭扱い)常識破りだと思う。
鉄斎の作品図版の他に鉄斎用印が章扉などにいくつも朱色で刷られており、非常に華やかな感じを与えている。ただしこの幸田露伴の句集を飾っている印は青山二郎の作。思わず、ひときわ楽しげにこういうレイアウトを考案している青山の姿を想像してしまう。
『別冊太陽 青山二郎の眼』(平凡社、一九九四年一〇月二二日)にその木製の印が載っていた。装幀にもこれらを使っている。李朝の陶磁器や民芸に詳しい青山だから、おそらく韓国の木製の印(たぶん陶器を装飾するために使ったものだろうか)を青山流に作り直しているように思われる。