本日、雪。今は止んでいる。
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午後二時からの徳正寺本堂での宇野亜喜良レクチャーへ向う。雪にもかかわらず、およそ六十人の聴衆で本堂はほぼ満員だった。増田喜昭さんの進行で今江祥智さんと宇野さんがこれまでコラボレーションしてこられた絵本などの話をうまく引き出して飽きさせなかった。今江さんともっとも多く仕事をしているイラストレーターは長新太で100冊くらい。宇野さんは二番目で50冊くらい。長さんが本妻で宇野さんは妾だと(笑)。
『あのこ』(理論社、一九六六年)を今江さん(当時、福音館に勤めていた)が自費出版するつもりで、和田誠の紹介で宇野亜喜良に初めて会った。銀座のウエスト。宇野さんはそのとき手渡された原稿を読まず、今江さんから粗筋を聞いて(その方がイメージが湧くということで)四点の作品を描いた。出来上がったイラストを見て今江さんはびっくりして、テキストを書き直した。理論社の小宮山量平さんにそれを見せると、理論社から出したいと言われた。即座に、断った。お金がかかるよと言われたが、それでも断った。しかし何度も求められ、理論社の出版ではないように版元の文字を小さくするということで、理論社から出版された。小宮山さんは、そういう海のものとも山のものとも分からない本を思い切って出す人だった。当時の絵本としては角背のハードカバーで紙質やインクにも凝った造本だった(装幀レイアウトは宇野さん)。他に福音館のマツイさんという編集者の話など、興味深く聴いた。
徳正寺から見た月。本日十三夜、月齢12.14。
夕方から雪がまた降り出した。