久しぶりに目録で入手したE・P・オツペンハイム『歴史顛覆者』(安東礼夫訳、波屋書房、一九二七年一月一〇日、装幀=大塚克三)。いわずもがなの波屋書房の本。宇崎祥二晩年の出版活動は左翼文献と探偵小説が二本柱になっていた。古書として探偵物は高額なので入手はあきらめていたが、ページの破れが二ケ所ほどあってやや安めだった。江戸川乱歩の「序」あり。ひょっとして佚文? と思って『江戸川乱歩著書目録』(名張市立図書館、二〇〇三年三月三一日)を開いてみると、ちゃんと採録されていた。む、う。

奥付。宇崎純一デザインの検印紙。

さらに機山閣書店(東京牛込肴町十二)のレッテルも付いていた。ラッキー! 金沢文圃閣の『出版・書籍商人物情報大観—昭和初期』に「機山閣」として項目が立っている。主人の山岡藤五郎は甲府の出身で武田信玄の雅号「機山」から商号を付けたという。サムライ書房という名前で出版を志したが、一転して牛込に書店「機山閣」を開き、絵葉書の出版を企てて発展した。
《書籍の外美術絵画絵葉書を出版販売し、日本絵画組合の常任理事として其の機関誌『日本絵画月報』の編輯を主宰してゐる》