タアゴル『幼児詩集 新月』(訳者=増野三良、東雲堂書店、一九一六年六月一日再版、一九一五年五月一日発行、196×151mm、143pp、富本憲吉幀、タアゴル来朝記念特価七十銭)、函は欠。序文が野口米次郎と灰野庄平、印度現代画家挿絵八葉が別刷りで挿入されている。
これは二〇〇六年に求めていたもの。
訳者増野三良(ましの・さぶろう、扉にローマ字タイトルあり,1889. 1.16〜1916. 3. 3)のあとがき「此の一巻を父上に謹呈いたします」が面白い。父は二十六歳のときに益田弾正(長州藩家老)の名代として、藩主および七卿の赦罪を請い長州兵の入京を許可してもらうために京都へ上ったが、許されず、会津らの兵と一戦を交えた(蛤御門の変)。そして第二次長州征討のとき
《幕府にさし出す筈であつた弾正の首級を岩国城に赴いて実験の上取り戻す役目を果たしました。この時に何か深く悟つたのでせうか、それからといふものは彼は全く世を遁れて官途にも就かず金銭も覓めず虚無恬淡の生活をして居ります。この隠者は今年七十八でございます》
とのことである。三良はこう書いた翌年、この再版が出た後、二十七歳で歿している……というようなことを調べていると、二〇〇八年の百万遍で買った『日本象徴詩集』にも選ばれていることが分かった。
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いちおうデータを示しておく。未来社同人編、玄文社(長谷川巳之吉)、一九一九年五月三日、208×140mm、379pp、二円、革装並製。