
山田稔『マビヨン通りの店』(編集工房ノア、二〇一〇年一〇月一七日、装幀=森本良成、カバー絵=野見山曉治)。『VIKING』『CABIN』『海鳴り』に発表されたものは読んでいるが、再読するとまた違った感想がわく。
表題作は、一九七七〜七九年にパリに滞在したとき、マビヨン通り十番地にあったレストランに山田が毎週木曜日、ポトフを目当てに通っていたことと、そのレストラン・シャルパンティエの先代の主人が椎名其二に便宜をはかって、椎名が地下の物置に住んでいたことを、野見山曉治『四百字のデッサン』(河出書房新社、一九七八年)や蜷川譲『パリに死す 評伝・椎名其二』(藤原書店、一九九六年)を読んで知ったという話。そして一九九九年に再訪したときにもういちどマビヨン通りのレストランへ行こうとするのだが……。