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こけし人形![]() 山中登監修、志村武夫撮影『こけし人形』(河出書房、一九五六年二月七日)の口絵、「宮城 福岡弥次郎」。こけしというと三茶書房を思い出す。初めて神田の店に入ったとき、もう三十年以上前、階段のところにズラリとこけしが並んでいた。古本屋にどうして? と思ったものだ。 《1948(昭和23)年に東京・三軒茶屋で開業し、1964(昭和39)年からこの地に店を構えた。先代の岩森亀一さんは文学に造詣が深く、多くの作家から信頼を集めていた。2代目の幡野武夫さんは、歴史文献の目利きでも知られる。「1階は文学を中心に先代からの蓄積でやっています。2階は以前は豆本、こけしもやっていました。》(BOOK TOWN じんぼう) 本書にも斎藤昌三が「こけし署名の当否」という一文を寄せている。どうやら古本好きとこけしの関係を考え直す必要があるようだ。 《この玩具趣味を今日のように一般化さした裏面の貢献者は、清水晴嵐や淡島寒月翁等の蒐集から初[ママ]まったが、ヒマにあかせて各地を行脚したのは、明治末期の山三不二(佐野健吉)や玩愚泊可山人、横田素山等で、次で外神田に藤木老の専門玩具店の出現となり、三越の武田真吉氏を中心に大供会が組織され、機関紙の発行から百貨店の展観と発展したのが、漸次全国的に趣味家を抬頭させた遠因となって、今日に至ったものであろう》 《元来こけしは東北特産の御土産玩具で、蒐集家が勿体付けるほど古い歴史はない。おしゃぶりと併行した子供の手遊びであったものが、大正の末期から大人の玩具にとりあげて了ったばかりでなく、蒐集家の競争心から、誰が名人だ傑作だと騒ぎ、古代こけしだの新作だのと比較したりして来たが、歴史の新しいこけしに古代を冠するのもおかしく、その上作者の署名の在るなしを問題にし、一部のマニアは署名入りでなくば価値なきかの考さえある。おかしな咄である。》 ![]() 「こけし」の名称について山中登は仙台の北の人々が呼んでいる「こげし」から新しく造られたと述べている。 《現在では、全国的にこけしで通じるが、生産地では昔、コゲス・コケスソボコ(仙台)・クナクナコゲス・コゲスッコ・コゲスボンボ(秋田)等と呼んでいた》 その語源も《「こげ」は「木削」「し」は「子」で「木を削って作ったオボコ」が正しい解釈の仕方だと思われる》としている。 ![]() ただやはり本書に収められている藤沢衛彦「こけしの起源」によれば「こけし」というのは小さい笥(かご)に入れられた赤子すなわち「小笥子(こけし)」だとなる。 《それは、ちょうど、嬰子(赤子)を入れるゆれがこの篭を、“えじこ”、そのなかに這入っている嬰子を、“えじこ”と呼ぶようなものです。》 また藤沢はロクロ(轆轤)の朝鮮半島からの移入(天平時代)を考察し、すでにその頃、近江に定住した轆轤工がいたとする。そして近江の蒲生氏が会津へ国替えになったときに木地山の轆轤師が技術を伝え、東北のこけしが作られ始めたのだと推測している。 蒲生氏郷が秀吉から東北の押さえとして会津四十二万石を与えられたのは小田原攻の終わった天正十八年(一五九〇)だ。藤沢説がどれほど信憑性があるのか分からないが、こけしもルーツをたどれば《蒐集家が勿体付けるほど古い歴史はない》と軽々しくは言えないのかもしれない。 *** KOKESHI LOVE展 開催中 ギャラリー東京バンブーhttp://bamboo.biscuit.co.jp/index.html 会期:9月21日(火)〜26日(日) 時間:12:00〜19:00(土日は〜18:00) デザインユニット コチャエの協力のもと、イラストレーターのオリジナルこけし&伝統こけし、及びこけしモチーフの様々なものを展示・販売します。 出品作家 浅生ハルミン、wool,cube,wool、イナキヨシコ、いぬんこ(オチャマンテ)、北村ケンジ、霜田あゆ美、佐々木一澄、杉浦さやか、白根ゆたんぽ、天明幸子、長崎訓子×SWISH!、福田利之、松尾ミユキ、山田タクヒロ、タケイ・E・サカエ
by sumus_co
| 2010-09-21 20:51
| 古書日録
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