中村書店のレッテルを某氏より頂戴した。中村書店についてはこれまでも度々触れてきたので、ざっと主要な記事だけリンクしておく。お閑な方はのぞいてくだされ。
巽堂書店および中村書店
http://sumus.exblog.jp/13459972
加藤八千代『子供の夕暮』(中村書店、一九五九年一一月)
http://sumus.exblog.jp/11852807
笠原昌介訳『ラフォルグ詩集』(中村書店、一九六〇年八月一〇日)
http://sumus.exblog.jp/12330129
『Bibliophil 詩歌文芸書目録』8号、9号(北園克衛デザイン)
http://sumus.exblog.jp/10588545
山口昌男『語りの宇宙』
http://sumus.exblog.jp/8365131
中村書店のしおり(北園克衛デザイン)
http://sumus.exblog.jp/8350011

もう一枚、別の方より、京都河原町四条上ル「新生堂書店」のレッテルも頂戴した。《「新生」というネーミングは、たばこ(1949年発売)やかすとり雑誌(1945年創刊)など、敗戦直後の流行だったのでは》というなるほどコメントも付されていた。
ある言葉がいつ頃流行したかというのを、ごく大雑把ではあるが、カンタンに知る方法として書物のタイトルにその言葉が使われている時期を調べるというのがある。ようするに国会図書館NDL-OPACで「タイトル」検索にかけるという、ただそれだけのこと。
「新生」を調べてみた。すると
新生 / 藤井武. -- 岩波書店, 大正5
新生 / ダンテ[他]. -- 洛陽堂, 大正6
新生. 第1巻 / 島崎藤村. -- 再版. -- 春陽堂, 大正8
新生. 第2巻 / 島崎藤村. -- 春陽堂, 大正9
新生の悦び / 千家元麿. -- 芸術社, 大正10
のあたりから始まって、関東大震災以後しばらくよく使われている。そして戦時中には海外侵攻のお題目になっているような気もする。
新生 / 渋谷庚子智. -- 民族社, 昭15
新生支那事情. 〔第1〕-2輯. -- 大阪市産業部貿易課, 1939-1941.
新生 / 巴金. -- 開明書店, 1941 12版
新生の曙 / 竹内卓樹. -- 改版. -- 白水社書店, 昭和17
新生の譜 / 浅原六朗. -- 金鈴社, 昭和17
新生ジヤワ / 高橋和世. -- 愛国新聞社出版部, 昭和17
新生 / 加藤武雄. -- 錦城出版社, 昭和17
新生マライの表情 / 松本直治. -- 朝陽社, 昭和18
新生の園 / 大庭さち子. -- 春陽堂書店, 昭和18
新生 / 湯浅克衛. -- 山根書房, 昭和18
新生 / 牧屋善三. -- 今日の問題社, 昭和18. -- (新鋭文学選集 ; 9)
新生ジャワの展望 / 高橋和世. -- 文松堂書店, 昭和19
新生フィリピン共和国. -- 大阪南方院, 昭和19. --
新生中国の政治指標 / 伍澄宇[他]. -- 泉書房, 昭和19
新生農村の研究 / 東京農業大学農業経済学研究室. -- 東京農業大学刊行会, 昭和19
そのお題目は敗戦日本にもそのまま使われたのだからまったく都合のいい言葉であった。
新生日本と民主主義 / 植原悦二郎. -- 二葉書店, 昭和20