
小山清『小さな町』(筑摩書房、一九五四年四月一五日、装幀=吉田健男)。小山清は生前に四冊の小説集を出している。『落穂拾ひ』(筑摩書房、一九五三年)、『犬の生活』(筑摩書房、一九五五年)そして『日々の麵麭』(筑摩書房、一九五八年)。他に随筆集『幸福論』(筑摩書房、一九五五年)と死の直後の随筆集『二人の友』(審美社、一九六五年)がある。一九五六年六月には同人雑誌『木靴』(木靴の会)を創刊し創作の拠り所とした。
いずれも帯なしながら『落穂拾ひ』『犬の生活』は案外安く、今度の月の輪目録から『小さな町』を買うことができたのはラッキーだった。『小さな町』は下谷竜泉寺町での新聞配達時代の作品群(「小さな町」、「離合」など)と夕張の炭坑夫関連の作品群からなる。表題はシャルル・ルイ・フィリップの同題作によるものと思う(『Dans la petite ville』Charpentier, 1910/邦訳は「小さな町」小牧近江訳、「小さき町にて」淀野隆三訳、「小さな町で」山田稔訳)。