「芦ノ湖」1960年、町立久万美術館蔵。「古茂田守介の全貌展」の絵葉書。伊丹市美術館でこの展覧会を見たときの印象は忘れ難い。会場では図録が売り切れていた。何年か経ってから街の草さんで求めた。
絵葉書だけは売っていたので何枚か買った。その一枚だろうと思ってハガキ・ファイルから引き抜いてみると、木内寛子さんから頂戴した『ARE』三号の感想が切手面にしたためられていた。消印は《95.8.9.8-12》。三号は神戸の震災特集。木内さんの詩を掲載させてもらっていたのである。
《自分の作品は照れくさく見ないように気をつけながら一読、震災も日常のなかのように見えます。》
その後、小生の個展の会場などで何度かお会いして、『木を抱く』(ドッド・ウィザード、二〇〇四年)という詩集も装幀させてもらったが、それから間もなく木内さんは亡くなられた。木内さんも古茂田守介が好きだったんだな、ひょっとして、こちらの好みを察してこの絵葉書を選んだのかな、などと思いをめぐらせてみる。