東京駅から直行で、まずは茶話会の打ち合わせのために『ちくま』青木氏を訪ねる。玩具の問屋が立ち並ぶ道沿いに筑摩書房はある。食事でもしながらということになっていたので浅草まで二人で歩く。建設中の新タワーが間近に見えた。
神谷バーの前を通る。ここでは昔、大学時代の友人が結婚披露パーティをやったことがあって、電気ブランをしたたかあおったことを思い出す。
永井荷風が通ったという蕎麦の尾張屋に入る。昼時だったので蕎麦をすする荷風の写真が飾られた一階は満席。二階の椅子席へ。ごく庶民的な味。
尾張屋を出てかつての浅草映画街を少しぶらつく。すっかり様変わりしてはいるものの、鬼海弘雄さんの写真に出てくるような人たちがそこここを歩いていたのには驚かされる。青木氏は仕事があるのでゆっくりもしておられず喫茶店アンデェラスで話題や進行などを詰める。ここは、十五年ほど前、洲之内徹を調べていた頃に訪れたことがあるが、まったく変っていない。
だいたいの打ち合わせを終えて渋谷のウィリアムモリスへ向う。地下鉄銀座線で一本。表参道で下車して渋谷方面へ歩く。
ウィリアムモリスは表通りより一本裏になるが、その曲がり角手前に巽堂書店および中村書店がある。巽堂書店は正統派、みすずの白い本の並ぶ棚が印象的だ。表の均一もヴァラエティに富む。中村書店は何度も触れているが、詩書はさすがの品揃え。あれこれ迷って決めかねた。旅先だし。小野十三郎の詩論、買っとけばよかったか……。
『Bibliophil 詩歌文芸書目録』
http://sumus.exblog.jp/10588545
日本で一番最初に作られた昆虫専門店「志賀昆虫普及社」がこのそばにあったそうだが、何年か前に移転したと聞いた。