平等院鳳凰堂の本尊阿弥陀如来坐像を取り囲むように配置された五十二体の「雲中供養菩薩像」のひとつ「南二」(味気ない呼び方ではある)。もう何年も前に息子が鳳翔館で買って送ってきた絵葉書。
鳳凰堂は二度ばかり訪れたような気もするが、最初のときはまだあまりきちんと整備されていない時代だったので建物もくたびれた様子でどこかのんびりとした風景だった。当時もこの「雲中供養菩薩像」の愛らしい姿にはひきつけられた。
しかし考えてみると、完成した当初にはもっとキンキラしたド派手な異形の空間だったのだろうから、その場にいたとすれば、ビックリはしても有り難みは感じなかったろうなあと思ったりする。